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(((お前は何てことをしてくれてんだ~~~!!))) という一同の心の声など聞こえるはずもない祐羽はスマホとにらめっこしている。 すると直ぐ様返信が来たようでニコッと笑ってこちらを見た。 「みんなで食べていいよ、って返事貰いました!」 「…その画面、見せて貰えますか?」 「?はい、どうぞ」 祐羽の顔からスマホへと視線を向けた柳は、差し出された画面を見た。 『九条さん、お疲れ様です。これからご飯を食べるんですが組員のみなさんも一緒に食べてもいいですか?』 『好きにしろ』 『ありがとうございます。この時間で組員さんとも仲良くなれたらいいなと思います。九条さんはお仕事頑張ってくださいね』 「…」 「!!」 柳の顔色に不安を抱いた中瀬も画面を見て凍りついた。 そんな二人の様子に見守っていた組員たちも気が気ではない。 そこへ中瀬のスマホが着信を知らせた。 嫌な予感しかない中瀬は、スマホを仕舞う祐羽を憎々し気に見ながら自身のスマホを確認する。 すると案の定、相手は眞山からだ。 慌てて中瀬は覚悟を決めて通話を押した。 「…も、もしもし」 『中瀬。お前と柳が着いていながらどういうことだ?』 「すみません」 『お陰で社長の機嫌は最悪だ。ただでさえ、これから厄介な老獪どもに会うというのに…』 ふうと溜め息まで吐かれてしまう。 「本当にすみません」 『まぁ、月ヶ瀬くんだから仕方ないのは分かる。こっちは空気悪くてな…愚痴って悪かった』 「いえ、そんなことは…っ」 『とにかくこれ以上は問題起こすなよ。あとは頼んだ』 「はい、了解です」 中瀬がしおしおと通話を終えると祐羽がこちらを見ていて視線が合うと心配そうな顔をして首を傾げた。 「中瀬さん。何か問題があったんですか…?」 お前だよ、お前!と言えない中瀬は溜め息をつく。 それから「早く飯食おうぜ」と席に着いた。

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