674 / 1012

15

・・・・・ 深夜。 中瀬のスマホが静かに震えた。 祐羽は中瀬達とホテルへ戻って九条の帰りを待っていた。 しかし、いつまで経っても帰ってこない九条を待ちきれず睡魔に誘われてとっくに夢の中に。 そんな祐羽の世話と護衛を兼ねて、中瀬は寝室横の部屋で柳と共に待機していた。 「眞山さんだ!」 画面を見て慌ててスマホに応答すると、向こうから疲れた様子の眞山の声が聞こえてきた。 「お疲れ様です」 心底心配な声を掛けると、眞山から『あぁ、お前もな』と返されて中瀬は疲れが一気に吹き飛ぶ思いがした。 『悪いが今日はもう戻らない。…実を言うとさっき終わってな。もうこのまま近くへ泊まる』 「そうですか…」 眞山が戻って来ないと分かり、若干ガッカリする。 戻って来たら理由をつけて部屋に入り、少しでもお世話をしようと思っていたのだが…。 『明日も上に呼ばれていてな。戻るのはお披露目が終わってからになるから明後日の夜だ』 「了解です」 『月ヶ瀬くんを頼んだぞ』 「もちろんです!」 祐羽には怪我ひとつさせないように注意している。 何かあれば九条が黙っていないだろう。 それは自分の責任だけでなく、眞山の責任にもなるのだから決して気を抜けない。 九条は普段はクールだが、その胸の内のほの暗いオーラは計り知れない。 眼光だけで人を黙らせる事が出来るのだから、それがキレたらと思うと生きた心地がしない。 九条が本気で怒った姿は見たことがないので未知数ではあるが、確実に血の雨が降るだろことは予想出来た。 お互いの明日の予定と九条の泊まるホテルを確認して通話を終えると、中瀬は柳を見た。 「明日も気合い入れて頑張りましょうね、柳さん」 「そうだな。さて、俺たちも交代で風呂入って寝るか」 柳が伸びをする姿に中瀬も「そうっスね」と応える。 それから、あくびをひとつした。

ともだちにシェアしよう!