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そうして視線をやったのは、解放されたはずの自分の腹だ。 「ヒッ…ッ」 自分でも信じられない声が漏れた。 理解が追いつかない。 上から腹を踏みつけていた加藤が、座り込み何をしているのかと思えば、シャツの隙間に覗く祐羽の腹に手の平を這わせていた。 汗ばんだ大きな手が柔らかい肌を優しく撫でていて、あの不機嫌で怖い顔しか見せなかった加藤が今はまるで違う顔をしている。 それは決していい顔とは言えない。 中年の男が情欲を露に、いやらしく目を細め口元を歪ませていた。 ゾワゾワとした気持ちの悪さが祐羽の背筋を走り抜けていく。 な、何してるの、この人…?!。 祐羽は顔だけ起こした状態で、声も出せずに男の奇行から視線が外せないでいた。 しかし、そこで漸く脳が危険を知らせ加藤の動きを止めさせようとした。 身を捩って起きようとしたが、狭い場所でただでさえ身動きが難しい上に、加藤が体にのし掛かってきて何も出来なくなる。 「男となんて気持ち悪りぃし、そういうヤツらはぶっ殺してもいいと思ってたが…。外崎のせいで俺も可笑しくなっちまったのかもなぁ…丁度いい」 その言葉に祐羽は両手で加藤を押し返そうと反射的に動いた。 「嫌だっ!!」 けれど加藤は祐羽の手首を易々と掴み抵抗を遮ると、ニヤニヤと並びの悪い歯を見せながら笑った。 「本当なら外崎を可愛がってやるつもりだったが…。上が煩くてヤツに手は出せねぇからな」 「あっ!?」 加藤がヘソの穴に指を滑らせて、祐羽はその刺激にビクッと反応した。 「お前、小ぃせぇからチンコさえ見なけりゃ案外イケるな…」 祐羽の戸惑いと反応に気を良くしたのか、加藤がクククと楽しそうに嗤うと、両手で細い腰を掴み横腹を一気に撫で上げた。 弱い部分に触れられて、祐羽は「ンッ!」と思わず声を漏らす。 そのまま胸まで上がった加藤の両親指で乳首を捕らえられ、とうとう祐羽は叫んだ。 「止めて…っ!誰か助けてぇっ!!」 「ウルセェ、黙ってろ!!」 「ンンンッ!?」 次の瞬間大きな掌で口を塞がれる。 祐羽は驚き何とか逃れようとするが、力が強くて敵わない。

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