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必死に身を捩ったり声を上げて抵抗するが体格差は大きく、足をバタつかせようにも足の上に加藤の尻があってはまともに動かすことすら出来ない。
どうしよう、どうしよう、嫌だ嫌だ嫌だ。
青褪め怯える祐羽に嗜虐心を煽られたのか、加藤は楽しそうにニタニタと気色の悪い笑みを深めていく。
今度は祐羽の腕を一纏めにして頭上へ万歳の形で固定すると、空いた方の指を露になった乳首に無遠慮に絡ませた。
「アッ!!」
「小せぇなぁ。外崎の乳首は女みたいにデカかったぞ?まぁ、色は旨そうだ」
そう言いながら小さな粒を指先で捏ね、痛みを伴う強さで刺激していく。
「うっ…やめっ、嫌だ!」
九条に触れられて恥ずかしくて、でも嬉しくて体が熱くなるのとは全くの正反対、別物だ。
全身から血の気が引くとはこの事かもしれない。
九条と恋人同士になり数は少なくとも体を重ねて、その都度散々愛撫され続けた祐羽の乳首は少しの刺激でも期待にプクリと大きくなる位には育っていて、今はそれが完全に仇となっていた。
「嫌だ!やめて、痛いっ!!」
そう訴える祐羽の声など一切聞かず、加藤は捏ねたり引っ張ったりとやりたい放題だ。
「んっ、やだぁっ…っ!」
「ガキのくせに、いやらしい乳首しやがって」
加藤がゴクリと唾液を飲んだ音がしたかと思うと、自分の胸元に顔を寄せて来たのを祐羽は絶望と共に見つめた。
その様子はスローモーションに見え、さながら映画を観ているかの様だった。
い、嫌だ!!
祐羽が覚悟を決めて目をキュッと閉じた時だった。
「加藤さん?!何、してるんですか?!」
外から見張り役をしていた男の声がして、寸でのところで加藤が動きを止めた。
あと少し遅ければ加藤の舌が自分の乳首に触れていたかと思うと恐ろしい。
恐怖で知らず知らず震えていた祐羽は、加藤が身を起こしたことで解放された手首を撫で無事を確認する。
それから何とか逃げ出そうと身を捩るが、体は男の下にあって身動きが取れない。
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