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「ちょっ!?お前ゴラァァッ!!これ貴重な原木の一枚板で高けぇのにぃ、傷がついとるじゃねぇか、ふざけんな!!」 紫藤が文句を言うと九条がフンッと笑った。 「箔がついただろ」 「おまっ…チッ」 九条に鼻で笑われ紫藤は舌打ちした。 溜め息をつき腕を組んで、それから九条の顔を見た。 「まぁええわ。時間が惜しい。」 「ああ」 鬱々としていた気持ちを吹っ切って、九条と紫藤はお互いに顔を見合わせると、三分程話し合う。 それから部下の方へと顔を向けた。 「今からお前らを分ける」 そう言うと紫藤は自分の組を幾つかに分けていく。 それから九条の部下も眞山によって分けられた。 「お前らは地元組事務所と滞在先の動向監視。お前らは市内から抜ける道を張れ」 紫藤組の反対では眞山が少数精鋭の旭狼会に指示を出す。 「よし。今から組分けするぞ」 ほぼここでは顔を知られていない旭狼会組員は実働部隊として、これから二次会会場へ向かい各組長と側近を徹底的にマークする。 同時に地元に残した組員に指示を出し、関東地方の組の動向も探る事にする。 今回の件は明らかに九条と紫藤に対しての宣戦布告であるならば、シマを争う相手イコール同じ圏内に居る相手だろうと睨む。 相手もバカではないだろう。 そんな簡単に分かる様な動きは期待出来ないが、それでも可能性があるならば徹底的にして損は無い。 各組員が細かい打ち合わせと実行する為に部屋を出ると、それと同時に九条のスマホが震えた。 「俺だ」 相手は加納という男で、九条の知人である。 加納は警視庁に勤める男で、もちろん肩書きも申し分無い。 ヤクザと警察が繋がっているのは極秘も極秘。 しかし九条の交遊関係は政財界にも及んでいる為、今更のことである。 暫く黙って聞いていたが、男から県警へ指示を出させたものの期待した答えは無かった。

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