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怖くて固まって殴られ気力を無くした自分に、これから何が出来るかと言われても交渉の席でどうしていいか分からず、きっと九条に優位な立ち回りは出来ない。 「九条さん達ならきっと上手く交渉して迎えに来てくれるよ」 「外崎さん…」 こんな状況下でも落ち着いた笑顔を見せてくれる外崎に感謝だ。 心がホッと和んで、ささくれだった気持ちを優しく戻してくれるのだから。 「はい。きっと中瀬さんも九条さんも紫藤さんも無事で、みんなと会えますよね!?」 「そうそう。こんな時だからこそ前向きにいこう!」 外崎が両手に拳を作り「頑張ろうね」とポーズを決めた時だった。 いきなりドアが開き、そこから一番会いたくない男が姿を現した。 「お~い、迎えに来てやったぞぉ」 加藤はニタニタと下卑た笑いを浮かべ、室内のふたりを交互に見た。 一気に全身を悪寒の様なものが走り固まる自分を外崎が直ぐに駆け寄り抱き締めてくれる。 「大丈夫だからね。絶対に守ってあげるから」 庇う様に抱き込んでくれる外崎の腕に思わずしがみつく。 頑張るって決めたのに、僕は…。 申し訳ない気持ちで外崎を見つめた。 「中瀬くんはどこですか!?」 キリッとした鋭い表情で、外崎は加藤を睨みながら問いかけた。 「は?中瀬?…あぁ、アイツならお前らのボスとの交渉として連れて行かれたぜ」 やっぱりそうなんだ。卑怯すぎる! 神様。どうか交渉が上手くいって中瀬さんが助けて貰えますように…。 祐羽は目を強く閉じて心の中で中瀬の無事を心から祈った。

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