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「祐羽くん、落ち着いて。呼吸を整えて…」 外崎の言葉に祐羽は我に返ると、大きく深呼吸をして気持ちを整えていく。 大丈夫、絶対にエッチなことはしないっ! コイツを殴って外崎さんとここから逃げるんだ!! 祐羽は目を閉じギュッと力を入れ涙を止めると、意を決して視線を下から上へと向けた。 すると外崎も同じように息を吸い、それから小さくゆっくりと吐いた。 「そんな訳だからよ、おらっ!ガキをこっちに寄越せ」 それが合図だったかの様に加藤が乱暴な仕草で祐羽を捕まえようとした時だった。 「触らないで!!」 厳しい声で牽制すると共に祐羽を背後に隠した外崎は、加藤を睨み付けながらとんでもないことを言い放った。 「この子は勘弁してほしい。…僕が代わりに行くから…」 「外崎さん!!?」 そのいきなりの提案に、祐羽は愕然として外崎の華奢な作りの背中を見た。 何言ってるの、外崎さん!!? 「あ?お前が?」 「そうです。僕じゃダメですか?」 「えっ、待って。外崎さん!そんなこと言わないで!やめて!!」 祐羽が慌てて止めに入るが、外崎はこちらを見ようとしない。 「へっ。上等だ。お前が相手をするって言うなら、文句はねぇ」 元々、加藤は外崎がお気に入りだったのだから祐羽なんてオマケ程度の存在だ。 外崎が相手をすると申し出た途端に、祐羽など眼中にも無い。 「ダメっ、外崎さんっ!やめてください!!」 「祐羽くん」 「やだぁ~外崎さん、行かないで…駄目です」 泣かないと決めたのにまた涙が溢れて来てしまう。

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