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介抱する為に支え様としたものの体格差からよろめき座り込んだ外崎に抱きついたまま紫藤は何を思ったのか胸を嬉しそうに揉んできたのだ。
けれどあの時の自分は、紫藤には明かせないとても恥ずかしいことをしていた。
『隆成さん、しっかりしてください!飲み過ぎですよ?』
『う~ん…』
『わぁっ?!』
酔った紫藤を介抱していれば、たまたま当たった胸を紫藤が気に入ったらしく大きな手で無遠慮に揉んでくる。
自分の胸が少し膨らみがあることを紫藤は知ってはいたが、その日までこんな風に揉まれたことは無かった。
『あ~おっぱいはいいなぁ…』
ほんの僅かな膨らみに紫藤の大きな手が触れて揉まれるうちに、外崎の脳裏にはとんでもない考えが生まれたのだ。
今なら、もしかしたら…。
恐る恐るシャツの前を外して胸を出し、それからゆっくりと再び隆成へと近づけた。
女と対等に慣れなくても、せめて今だけでも女の様に触れてはくれないだろうか。
紫藤は酔っていて明日になれば忘れているはずだと。
『りゅ、隆成さん…』
震える体を傾けて乳首に隆成の手を導いた。
胸と紫藤の手の平が直接ふれあった瞬間、外崎の心が幸せに溢れ全身がブワッと何かに包まれた。
しかしそれ以上、女の様に胸を揉まれ吸われたりすることは無く、紫藤は呑気に膝枕で寝息を立て始めてた。
自分はいったい何を期待していたんだろう…?
外崎は紫藤の整った寝顔を見下ろしながら、惨めな自分の胸を隠し、それから涙をひっそりと溢した。
そんな苦い記憶だが、 紫藤の手に直接触れて貰ったあの辛くも幸せな唯一の思い出をこれから汚されてしまうことに気づく。
その時、外崎の思いは決まった。
この男からなんとしても体を守る。
そして、万が一の時は道連れにしてやる…と。
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