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大人しくなった外崎に加藤が気を良くして腰を前後に振り始めようとした時だった。
ドアがいきなり開かれたかと思うと、見張りをしているはずの男が雪崩れ込んできた。
「加藤さんっ、すんません!!」
あまりの血相に何事かと外崎も加藤達と同じ様に、驚きに視線を向ける。
「あのガキがトイレから逃げやがって…!!」
「何ィ?!お前は何やってたんだバカ野郎!!」
祐羽くん逃げられたんだ!!
でも、逃げるタイミングが早すぎるよ…!!
あれから僅かにしか経っていないにも関わらず、作戦決行し既に逃げたことがバレている祐羽に外崎は焦った。
自分が何とか時間稼ぎをしようと思っていたが、その計画もダメだ。
しかし焦ったところで事態は変わらない。
「あんのクソガキィ」
加藤のあまりの怒り浸透の様子に、外崎は体を強張らせた。
「トイレ入ってそんなに経ってないんで、たぶんまだ近くに居るかと」
「おいっ、お前ら今すぐガキを捕まえに行くぞ」
「コイツの見張りは?」
男がぺニスを仕舞いながら名残惜し気に外崎に視線を向ける。
「放っとけ!ガキ逃がしたってバレたら殺されるぞ!!それに警察でも呼ばれたらまずい」
加藤は勃起したぺニスを無理矢理下着へ押し込むと、それから男にカーテンのタッセルを持ってこさせ外崎の手足を素早く縛った。
もがいてみたが強く縛られており、タッセルは外れそうもない。
「帰るまで大人しく待ってろ」
そう言ってベッドから降りた加藤の背中に外崎は慌てて声を掛けた。
「待って!!お願いだから、見つけてもあの子には乱暴なことしないで!約束したはずだ!!」
すると加藤が振り返り、嫌な笑みを浮かべ口を開いた。
「あぁ、約束した。だが…守るとは言ってねぇよ?」
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