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「あっ…」 九条のキスはいつも甘くて優しい。 なのでまだまだ下手くそな祐羽も、九条のリードで舌を絡めあうことが出来る様になってきた。 そうして快感を拾った体が自然と火照ってくる。 久し振りのキスに思わずポロリと嬉し涙が溢れた。 九条さん、九条さん…。 これからも僕と一緒にいてくれるんだ。 九条に頭と背中をガッチリと掴まれ、より深く深く貪られていく。 「ふぁ、…あっ…ん」 そんな心地よいキスに身を任せていた祐羽は、壮絶な出来事の疲れからか段々と瞼を下ろしていく。 「祐羽?」 九条がキスを止めると、ふたりの間に唾液の糸が橋を掛けた。 幸せ気分で気持ちがいっぱいの上に、九条の愛情たっぷりのキスに、もう眠くて眠くて…。 むにゃむにゃさせ口を閉じた祐羽の顔に、優しい感触が降り注ぐ。 九条から愛しい愛しいとキスがこれでもかと与えられるが、既に祐羽は半分夢の中でそれには気づかない。 閉じた口元を嬉しそうに緩めそのまま眠りに落ちていった。 そんな自分に、九条が微かに笑った様な気がした。 ◇◇◇◇◇ 軽く瞼を動かし、それからうっすらと意識を浮上させていった祐羽は目を開けた。 暫くぼんやりして、知らない天井にハッとなると漸く思考がクリアになっていく。 そこで自分が広いベッドへ持ってきていたパジャマ姿で眠っていることに気づいた。

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