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「奴らに話はつけた」
「…」
「不安か?」
不安かと問われれば不安で、心のどこかに影を落とすが、こうして九条の腕の中に居る限り大丈夫なのだと思える。
強く逞しいこの腕が、しっかりと抱き締めてくれている限りは何も怖がることはないのだ。
それに、九条さんがヤクザの組長さんだって分かってて僕はつきあってるんだから。
覚悟を決めなきゃだよね。
祐羽は首を横にゆるゆると振った。
九条に心配させたくない。
あとは自分が気持ちを立て直すだけなのだから。
「九条さんが一緒だから、もう大丈夫です。心配しないでください」
「祐羽」
「あ…」
ぎゅっと改めて抱き締められて、九条の胸に顔を押し付けられる。
あったかくて、安心出来る場所。
祐羽の大好きな場所。
胸から離され見つめあうと、九条に頬を包まれ祐羽は目を閉じた。
九条さんとキス、好き。
嬉しい…。
優しい熱が触れて、それから同時に咥内へ侵た舌によって愛撫が施されていく。
「あっ、…んッ」
舌を絡ませあい、九条に後頭部を支えられ激しくなっていく。
「アッ、ッ、九条さ…っ」
ゆっくりと体をソファへと倒され、九条が祐羽の首元へと顔を落とした時だった。
「…チッ」と舌打ちし、らしくなく顔を顰めると溜め息を吐く。
「祐羽、仕度しろ」
「え?」
火照る頬を赤く染め祐羽が突然投げ出されキョトンとすると、九条がドアの向こうに視線を向けながら言った。
「うるさいのが来る」
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