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同じ道

火照りかけた体を落ち着かせ急いで身支度を済ませた祐羽、九条に促されて部屋のドアを開けてみる。 そこにはいつもの様子で眞山が立っていた。 「おはようございます月ヶ瀬くん。体調はいかがですか?」 少し心配そうに眉を寄せた眞山に問われて、祐羽は安心させる様に笑ってみせた。 「おはようございます。ちょっと怠いけど何とか…」 正直言うと体はもの凄く怠いし、打ち身は痛いが寝て過ごす程ではない。 そんな自分がさっき迄、九条に求められて応えようとしていた事実にちょっと頬を染める。 どうやら怠さや痛みより、九条への気持ちが上回ったようだ。 それは第三者の眞山に知られては恥ずかしいことなので、悟られない様に平静を装った。 「祐羽」 「あっ、中瀬さん!!」 そんな祐羽の名前を遠慮がちに呼んだのは中瀬で、少し疲れた様子だが元気そうに眞山の少し後ろに立って穏やかに笑っていた。 「おはようございます」 「あぁ。おはよ!」 顔を合わせたふたりの気持ちは同じだった様で、目をうるうるさせながら抱き合った。 「体とか大丈夫か?」 「はいっ、大丈夫です。中瀬さんは?」 「俺も大丈夫だよ」 そこで「「良かった」」とお互いに何度も言い合った。 極限の状況を共に潜り抜けたのだ。 ふたりは強い絆で結ばれ、そしてもう一人。 「おーっ、おはようさーん。元気か、お前ら」 上がってきたエレベーターから出てきたのは、紫藤で手を軽く上げて朝から派手なオーラを漂わせていた。 そんな紫藤の後ろに控えていた外崎が、祐羽と中瀬を見て既に泣きそうになっていた。 「「外崎さん!」」と呼ぶと「ふたりとも…」とボロッと涙を溢した。 そんな外崎の目から溢れた涙を紫藤がククッと笑いながら親指で拭った。 「泣き虫じゃなぁ、お前は」 「隆成さん…」

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