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さて、朝食も終わったことだしどうしたものか?と考えた三人はホテル内を探検しようと計画するものの組員達に却下されてしまった。 もう大丈夫とはいえ念の為、という九条達からのお達しだという。 安全面、そして体調の心配をしていると言われれば、部下であり祐羽の世話係の中瀬はもちろん、残りのふたりも従うしかなかった。 「確かに、まだ体怠いもんね」 外崎が眉を垂らしながら言うと、祐羽と中瀬も頷いた。 「それに何だかまた眠くなってきました…」 「お前の場合いつもだろ?食ったら眠くなるって、赤ちゃんかよ」 中瀬にからかわれて、祐羽が頬を赤くして怒る。 「いつもじゃないですよ!時々、時々なるだけですもん!!」 「あはははっ」 笑う中瀬に外崎もニコニコ笑う。 昨日迄のあの出来事がまるで嘘であったかの様な時間の流れに、心が癒されていく。 三人で乗り越えたあの時間は確実に絆を深めていた。 「なら、ちょっとだけ朝寝しちゃう?」 外崎の言葉に祐羽と中瀬がいいアイディアだと目を輝かせた。 本当は起きてご飯を食べて、また寝るだなんてダメだろうけれど、なんせ体が本調子ではない。 「あの…これから少し眠らせて貰ってもいいですか?」 祐羽がおずおずと側に居た組員に訊ねる。 「…すみません。俺も出来たらもう少し休みたいです」 中瀬が頭を下げ、それから顔を上げて兄貴分に視線を向けた。 「すみません。我が儘を言って…」 外崎が護衛の組員に目をうるっとさせて訴えた。 駄目ですか?と三人が組員達にお伺いを立てれば、全員が慌てて首を振った。 「いやいやいや、全然大丈夫です!休んでください!!」

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