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「我々がここでしっかり見張りはしておくので、安心して休んで貰って大丈夫ですから!」 次から次へと優しい言葉を掛けられて、三人は頭を下げた。 「「「ありがとうございます」」」 「それじゃぁ、ごめんなさい。おやすみさせて頂きますね」 外崎の言葉に祐羽と中瀬も、もう一度頭を下げる。 それから仲良く揃ってリビングを後にした。 九条と祐羽が寝るベッドルームのある部屋とは反対側にもベッドルームがあり、そこへ三人で入る。 ベッドがふたつ並んでおり、ひとつに祐羽が寝転ぶと隣に中瀬が、そしてもう一方に外崎が横になった。 「はぁっ。本当に疲れた…」 「安心すると、疲れが倍増するね」 中瀬と外崎の会話に、祐羽もコクリと頷いた。 もう、あんな怖いことは起きないから安心していいんだ。 ここには中瀬さんに外崎さん、他の組員さんも守ってくれてるんだから。 「隆成さん達が戻ってきたら、夜は皆でお好み焼きでも食べに行かない?」 「いいですね!」 外崎の提案に、祐羽が同意する。 「さっき食べたけど、もう食べたくなってきた」 中瀬の言葉に、みんなで笑った。 今はお腹は空いてないけれど、皆で食べに行ってワイワイするのは面白そうだ。 せっかくの広島旅行。 あんな怖い記憶なんて吹き飛ばして、楽しく残りは過ごしたい。 「楽しみですね」 「だな。その為にも体力回復させとかないとな」 布団が心地よく、外崎の「寝よっか」という言葉に、ふたりが反対するはずもなく。 三人は目を閉じ、そのまま睡魔に身を任せたのだった。

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