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◇◇◇◇◇ ホテルを後にした九条達は、中心街を抜けると山道へと入った。 薄暗い道をひたすら上った車は、ある場所で曲がると、細い道へと入った。 そこから少し走ると門扉が見え、関係者以外立ち入り禁止の文字が大きく貼り付けられた看板。 暗闇に溶け込む様に立っていた男達の手で左右に開かれた扉を突き進んで行くと、建物が現れた。 ポツンと佇む邸宅の前にも複数の男達が、九条と紫藤の到着を待っていた。 停車した車のドアが外から開かれ、九条と紫藤がそれぞれ降りる。 無言のまま部下の男の後を紫藤、九条、眞山達が続く。 廊下を進み、外からは一切分からないとある場所から地下へと降りていく。 何も見えないが、先頭の男がドアを開けると、そから光が漏れた。 中へ入れば、既に紫藤の部下複数が熱心に仕事を熟していた。 「どうな?」 紫藤が部下に訊ねると、組員はナイフ片手に眉を寄せた。 「コイツからは大したことは聞き出せませんでした」 椅子に縛りつけられた男は項垂れたまま身動きひとつしない。 「匿名の投書があったらしく、それで今回の計画を思いついたみたいです」 その話を九条は腕を組んで壁に寄り掛かりながら黙って聞く。 「投書の紙も証拠を残すなという指示があったらしく、処分済みだそうで」 「上はどうなんな?」 「関与無し、独断です」 男は組の幹部だが組長を蹴落とすつもりで独断での決行だったらしく、これ以上どうこうしても何も出てきそうも無い。 「ほぅ…その計画を思いついた幹部の部下に、今回の大罪人が居ったってわけか」 紫藤がドスの利いた声でそう呟くと、恐ろしく歪めた視線をもう1人の男へと向けた。 男は哀れな程に顔面蒼白で震えていた。

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