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※暴力描写あり※ 「加藤…。うちの外崎はじめ、可愛いのが世話になったようじゃなぁ」 「ぎゃぁぁぁっ…痛いっ痛いっ痛いっ!!!」 紫藤が髪を鷲づかみ椅子ごと上へと持ち上げると、加藤が悲鳴を上げた。 ブチブチと髪が抜け頭皮は酷い有様で、首を持ち直した紫藤は遠慮なく腹へと拳を叩き込んだ。 既に骨は折られ、あちこち切りつけられた体は限界で、加藤は悲鳴さえ上げられなくなる。 グテッと力の抜けた体は離され、加藤は床へと無惨にも落とされた。 それによって、加藤はダラリと力なく倒れた。 九条は、そんな加藤へ無言で近づくと思い切り足で蹴り飛ばした。 加藤はまるで、癇癪を起こした子どもに投げつけられたオモチャの様に壁へと叩きつけられる。 衝撃で椅子は壊れ、加藤の意識は既に無い。 「そこまでにしとけ」 無表情の九条が懐に手を入れた瞬間、紫藤の制止が入った。 九条の視線を受け止めた紫藤もまた同じ表情だった。 「無駄に手ぇ汚すな。今夜帰れんようになるじゃろうが」 その言葉が何を指しているのかが分かる。 九条は懐に入れていた手を取り出した。 その手には何も無い。 「お前もだろう」 「手加減した。殺し(やっ)てない」 九条に指摘された紫藤は底冷えのする笑みを浮かべた。 あとは部下に任せるだけで、この件は終わりだ。 ふたりは地下室を出た。 「終わっちゃいねぇけどな…」 紫藤の言葉に九条も同意した。 祐羽達を拐ったということは、間違いなく自分と紫藤を狙っての犯行だ。

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