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もしもの事を考えれば、慎重には慎重を重ねる必要があり少々の銃撃では問題ない様に改装していた。 見た目では全く分からない造りなので、祐羽は(書斎カッコいい)と検討違いの感想を抱くのであった。 それから、重要な場所は見たという訳で「もういいな?」と九条が戻りながら声を掛けると、「他の部屋も全部見てから戻ってもいいですか?」と祐羽が訊いてきた。 よほど探検したいらしい。 「向こうと大して変わらん」 「それでも見たいんですけど、ダメですか?」 「好きにしろ」 「ありがとうございます!」 物好きな恋人がワクワクしながら歩き出したその背中を見つめた九条は、リビングのソファへと腰かけた。 廊下の向こうへ消えた祐羽の足音と声だけが聞こえてくる。 楽しそうな雰囲気が伝わってきて、思わずフッと笑ってしまった。 この部屋で過ごしていたあの頃の自分では、こんなにも幸せな毎日は想像も出来なかっただろう。 そう穏やかな気持ちで、ゆったりとしていたが、次の瞬間目を見開いた。 ソファにふんぞり返っていた九条の視線の先。 祐羽の消えた廊下の入り口にあの小さな祐羽が居たのだ。 「…ちび?」 思わず呟いた声が届いたのか、ちび祐羽がこちらを向いた。 「あっ、九条さん!」 気がついたちび祐羽が嬉しそうに走って来たかと思うと、足を一生懸命によじ登ってくる。 摘まんで目線の高さ迄持ってくれば、ちびはニコニコと笑って「僕、今お空飛んでますねぇ」と喜ぶ。 一体何なんだ?コイツは?

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