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「そうだよね。もういいよ、小野くんと賀川くんがいいなら」 「そう?サンキュ、鈴木」 「もし困ったらいつでも声掛けてね」 鈴木は恋する乙女の表情で既に小野に飛びつくと周波を送る。 誰が見ても片想いしているのは一目瞭然だった。 それに気がつかない祐羽は小野と賀川の優しさが鈴木に伝わったのだと心から信じて笑みを浮かべると、ホッと息を吐いた。 「賀川くんもいつでも声掛けてね!ね!」と森田と佐藤も頬を染めながらモジモジしている。 「ありがと。困ったら言うな」 賀川がそう返せば、ふたりは再び何やらコソコソ盛り上がった。 「それじゃヨロシク」 「あっ、う、うん」 小野がニコッと笑ってくっついた鈴木を離すと、何か言いたそうに不満顔を見せたが、渋々他のふたりを連れ立って自分の席へと戻って行った。 その後ろ姿を見送り無事にこの件が終わったことに、祐羽は安堵と共に親友を尊敬の眼差しで見つめた。 (ふたりとも凄い。解決しちゃった!…僕ももっとお喋り上手になりたいな。そうしたら色んな人と仲良くなったり困った時も解決できるのに) 一件落着したものの、自分の情けなさに祐羽は少し落ち込んみ再び溜め息をつきそうになるがグッとがまんする。 (出来ないじゃないよね。少しずつ女子とのお喋りも頑張ろう。そしたら、いつか鈴木さん達とも仲良く出来るかも) 僅かな期待を持って祐羽は目標を立てると明るい表情で顔を上げ、それからふたりを見つめた。

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