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そして、お互いの顔を見ながら「いや、お前関係ないだろ」「お前こそ関係ないだろ」と密かに喧嘩になっていたのを祐羽は知る由もなかった。
◇◇◇◇◇
「文化祭二日目、今日で最後だよ!」
クラスの中心で、お祭り大好きな鈴木の掛け声が教室内に響いた。
今日も気合いの入ったメイクとスタイルの良さを強調したコスプレは、 案の定クラスメイトから大絶賛。
それを複雑な心境で輪の一番外側で見つめていた祐羽は、ハッとする。
(ダメだ!僕の心、まっ黒になってる。これじゃぁ鈴木さんに暗黒オーラが伝わってしまう)
そうなれば益々関係が悪化してしまうだろう。
できれば仲良くなりたいが、難しそうだ。
それならば暗黒オーラを封印して、せめて普通のクラスメイトとして見て貰える様にしたい。
(それに、こんな気持ちで文化祭やってたら来てくれる中瀬さんと外崎さんに申し訳ないもんね)
自分は笑顔で一生懸命ジュースを入れる仕事に全力を注ぐのみだ。
「協力して皆で頑張ろうね~!!」
鈴木の声にクラスが「おーっ!!」と盛り上がり、祐羽もジュース係のメンバーと「頑張ろうね」と笑顔で顔を見合わせた。
こうして文化祭二日目が始まった。
さっそく九条からプレゼントされた柴犬エプロンを身につけ頭にバンダナを巻いてジュース係である祐羽の準備は完了だ。
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