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「俺は昔からこういう細かい書類が嫌いなんじゃ!小っこい文字と数字の羅列見とると頭が痛くなる」 「自慢する暇あるなら次を終わらせろ」 紫藤の大きな愚痴に九条が小馬鹿にすれば「もう飽きた…。おいっ、律!コーヒー――って居らんのんじゃった~はぁぁっ…」 いつもなら側で世話を焼いてくれる秘書は生憎の留守で、紫藤の機嫌は益々急降下した。 「コーヒーのお代わりを三人分お願いします」 そんな様子に別の意味で頭が痛くなった眞山はドアの外へ待機する組員へ注文すると、再びパソコンの前へと戻った。 この大きな子どもをあやすことが出来るのは、紫藤を盲目的に慕っている外崎にしか無理だと悟る。 自分は九条の下で働けて本当に良かった―というのは尾首にも出さず仕事の続きに意識を戻す。 「おいっ、隆成。お前の案件だろうが。サボるな」 本来なら休みで―文化祭には参加しないが―ゆっくり過ごし夜は祐羽と恋人時間のはずが、同じ系列で親戚という関係のせいで、こうして手伝う羽目になってしまった。 東京でしのぎを削るヤクザ組織の対立は、一般人には見えないところで日々起きており、身内が多い方が心強い。 その為、広島を本拠のまま東京進出の支部立ち上げが決まったのだった。

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