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そんな中瀬の心配をよそに、ふたりはどこへ行くかと思案中だ。 「どこに行こうか?」 「どこがいいですかね?」 「どこも気になるね」 「そうですねぇ…」 「「うーん…」」 優柔不断なふたりが眉を垂らして首をお互いに傾けあっている。 可愛いのだが、可愛いのだが、下手に視線を集めるふたりに「まずは、祐羽のバスケ部が出してる店行ってみるってのは?」と提案してみた。 「それいいね!」 「あっ、そうしましょう!」 こうしてその場を離れることに成功したものの動けば動いたで、中瀬含めて注目を浴びるのに変わりはなかった。 文化祭は学校ごとにそれぞれ違うが、祐羽の学校はほどほどの規模で、盛り上がりも近くの高校に比べると凄い方だ。 その為、よその学生やご近所以外一般の若者もたくさん遊びに来ている。 「カッコいい!レベル高い!」と中瀬にキャーキャー言う声があちこちから聞こえ、隣を歩く外崎へも「綺麗」「美人」と見惚れる人が多い。 そのふたりに挟まれた真ん中でポチンと歩く祐羽は見事に景色と一体化していて、誰からも視線を向けられることは無かった。 そんな事に気づきもしないし気にもしない祐羽は、ふたりと一緒に巡れる嬉しさから無意識にルンルンとした足取りでバスケ部の出店へと向かう。

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