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「こっちは中瀬さんです。えーっと…」 知ってるなら話は早いと紹介しようとしたが、なんと説明したものかと悩んで言葉が出てこない。 (お付き合いしてる人の部下の人…いや、中瀬さんは部下の人じゃない) 「仲良くして貰ってるお兄ちゃんみたいな友達です」 「へぇ~年上の友達?凄いな」 祐羽の説明に納得した宇佐美が声を上げる。 周囲も祐羽が年上の友達を持っていることに少し驚いている様子だ。 それと同時に中瀬を見たことのある部員達は車での送迎を知っているので、イケメンで金持ちだと思っている。 実際は小さなアパートで暮らす普通―ではないが―の青年なのだが。 部員達の視線に中瀬が人の良さそうな笑顔を浮かべつつ、祐羽に嬉しそうな視線を向けた。 そんな横で、祐羽は反対に立って惜しみ無くニコニコ部員ひとりひとりに会釈を繰り返す外崎を紹介する。 「そして、こちらは外崎さんです。外崎さんも仲良くして貰ってる僕のお兄ちゃんみたいな友達です」 「「「おにい…ちゃん…?!」」」 「祐羽くんのお友達をさせて貰ってます外崎です。これからも祐羽くんと仲良くしてあげてください」 外崎がお兄ちゃんという衝撃に撃たれていた部員達はハッと次の瞬間我に返る。

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