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ちょっとくらいいいんじゃね?という高校生らしい動機で道を外れて校舎裏へとやって来た祐羽は、何だかいけないことをしている様なドキドキ感に握り締めた両手胸に当てていた。 (人の後をつけるなんて本当はダメなんだけど) 分かってはいるが、何か予感がしていつになく行動に出てしまった。 (こっそりタバコを吸いに来たとかならいいけど、何かコソコソしてて怪しいんだもん) 浅尾は優しく爽やかなイケメン教師ではあるが、何かが引っ掛かるのだ。 別に疑っているわけではないのだが、どうしても気になって仕方ない。 漫画や小説でもこういうシーンを切っ掛けに、主人公が謎に迫り思わぬ展開が繰り広げられていく。 これが本当に事件へと繋がる事になったらどうしようと若干の不安を胸に旧校舎の門から中へと顔を向ける。 怖がりのクセに昼間という安心感から変なスイッチが入った祐羽は、静かに門を開けて中へと入った。 「草いっぱい生えてる」 普段人があまり来ない場所なだけに雑草がたくさん生えた日陰は少しじめじめしている様に感じる。 校舎窓に映った自分の影に思わずビクつきながら浅尾の向かったであろう第二裏門へとゆっくり近づいて行く。 ここからは門が見えない為、浅尾を確認するには校舎の端まで行く必要がある。

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