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act.2 Cherry Kiss 〜 the 4th day 3 ※

ドキドキしながら、唾液に塗れた指をアスカの中に沈めていく。 吐息混じりの喘ぎ声。熱く濡れたそこは、まだ俺を受け容れるにはキツイ。そのままアスカのイイところを探っていく。 「あ、あァ……ッ!」 奥のその部分を擦った瞬間、身体がピクンと跳ね上がる。中を弄るのは二回目だから、すぐに感覚が掴めた。その部分を中心に刺激していくと、ギュッと抱きついてくる。 「あぁ、んッ、あァ……ッ」 指を動かしていくうちに、アスカの身体がどんどん熱を帯びてくる。外側も、内側も。中はだんだんキツさがなくなって、時々うねりながら吸いつくようにぬるぬると動く。 「アスカ、気持ちいい?」 必死に手を動かしながらそう訊けば、俺にしがみつきながら何度も頷く。 「ああァ……ッ、も、イく、レン、レン……ッ」 俺の名前を呼びながら、アスカが昇りつめる。中がすごい勢いで収縮しながら俺の指を締めつけてきた。トロトロに蕩けてて、本当に気持ちよさそうだ。乱れるアスカを見てるだけで、俺の半身は完全に復活してしまってた。 浅く速い呼吸を繰り返しながら、アスカがうっすらと目を開ける。 「レン……」 キスをねだるように腕を伸ばしてくるから、そっと顔を近づける。大人のキスを交わしてから唇を離すと、二人の間で吐息が絡まり合った。 「アスカの中、入っていい?」 「いいよ……」 細い両脚をそっと割り開いて、どうしようもないぐらいに緊張しながら、期待で震える先端を小さな蕾にあてる。 少しずつ、押し込むように挿れていく。熱く濡れたアスカの中は、俺を優しく包み込んでくれる。ゾクゾクとしたものすごい快感が身体の中心から全身に広がって、息を吐きながらその波をやり過ごす。 奥まで入ったところで動きを止める。身体だけじゃなくて心の中も満たされてるような、不思議な感じがした。 「アスカ……痛くない?」 「すごく感じる」 そう言ってちょっと笑う。エッチなアスカはホントにかわいい。ひとつになれたことが嬉しくてまた唇を重ねた。 少しずつ腰を動かしてみると、アスカの中は熱く蕩けながら俺を締めつけてくる。擦れる度に濡れた音が聞こえるのがいやらしくて余計に興奮する。言葉にできないぐらい気持ちいい。身体中の血液が全部、アスカと繋がってるところに集まっていくみたいだ。 「あ、ふ……、あぁ……ッ」 俺のぎこちない動きに合わせて、喘ぎ声がこぼれる。両腕を伸ばしてくるから身体を少し前に倒すと、アスカは俺に抱きついて起き上がってきた。 アスカが俺の上に座る形になって、さっきより深く繋がる。抱きしめられて、抱きしめて。ああ、ひとつになってる。 このまま融けてしまえればいいのに。 「アスカ、好きだ。大好き」 「僕も、レンが大好きだ……」 その声が震えてるから俯いた顔を覗き込むと、潤んだ目から今にも涙がこぼれ落ちそうだった。 「アスカ……泣かないで」 俺も泣きそうになるから。その言葉を俺は頑張って呑み込む。 「俺、笑ってるアスカが好きだよ。明日から俺の想い出すアスカの顔が泣いてたらイヤだからさ」 そう言うと、アスカはそっと微笑んだ。キラキラと煌めく涙が頬を伝っていく。すごくキレイで、切なくて胸が締めつけられる。 アスカのその顔。俺、一生忘れないよ。 センチメンタルな気持ちを振り切るように少しずつ腰を動かしていけば、アスカが俺に強く抱きついてきた。 「あぁ、ん…ッ、あ……ッ」 気持ちよさそうな声が耳をくすぐる。それだけでイっちゃいそうだ。 ずっとずっとこうしていたいけど、あまりにも気持ちよくて、そんなに持ちそうになかった。 「アスカの一番感じるところ、どこ? 俺、もうヤバイんだ」 そう訊くと、アスカは俺の上で軽く座り直してから耳元で囁いた。 「……これで、ちょっと動いてみて」 言われるままに腰を動かした途端、腕の中の身体が跳ね上がった。アスカの中が苦しいぐらいに俺を刺激する。 「アスカッ……ダメ、緩めて」 「あぁ、レン、もっと……ッ」 焦る俺の声なんて、全然届いてなかった。必死に快楽を求める甘い声が、俺の理性を全部浚っていく。 「アスカ……ッ」 キスをして、必死に突き上げながら揺さぶる。仰け反る白い首筋に、さっき俺が付けた印が見えた。まるで花びらみたいだ。 「ん…… あぁッ、 レン……ッ」 今だけでいいなんて、嘘だ。ずっと俺のアスカでいてほしいよ。 「アスカ、アスカ……ッ」 バカみたいに何度も名前を呼んで、もうダメだと思った瞬間、アスカの中が俺をすごい力で締めつけてきた。 「あぁ、あ、ああァ……ッ!」 悲鳴みたいな声を聞きながら、俺は搾り取られるようにアスカの中でイってしまう。 きつく抱き合って乱れた呼吸を整えながら、長く甘い余韻に浸る。重なる胸の鼓動は激しくて、どちらのものか区別が付かない。 「……初めてのエッチ、どうだった?」 アスカがかわいい顔でそんなことを聞くから、つい笑ってしまう。 「どうもこうもないよ」 チュッと唇にキスすると、口の中に甘い味が広がった。 「初めてのエッチが、人生最高のエッチになっちゃうかも」 俺の言葉に、アスカが嬉しそうに笑った。 ずっとずっと、抱き合っていたかった。だけどアスカは名残惜しそうに俺にキスをして立ち上がる。もうすぐ今日が終わるからだ。 「ごめん、レン。さよならだ」 微笑んでるけど、瞳はすごく淋しそうだった。 ちょっとでも自惚れていい? アスカも俺と離れたくないと思ってるって。 「アスカ」 呼び止めれば、澄んだ眼差しが真っ直ぐにこっちに向けられる。 「俺、いい男になれるように頑張るよ。大人になって、もう一度アスカと出会って、そのときアスカが一人だったら」 食い入るように俺を見つめるその姿は天使みたいにキレイで、今にも消えてしまいそうに儚かった。 「俺はアスカを離さないから」 きっとそんな日は来ない。それでもアスカは優しく頷いてくれる。 アスカの顔が近づいてくる。涙でちゃんと見えない。もう最後なのに。 「今でもすごくいい男だよ。でも、楽しみにしてる」 午前0時。 シンデレラがガラスの靴の代わりに残したのは、甘くて切ない大人のキスだった。

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