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act.4 Lost-time Kiss 〜 the 3rd day 3 ※

「ん……ッ、あ、ぁ……」 静寂の中、アスカの押し殺した声が響き渡る。 足だけを浸けた状態で湯舟に腰掛けるアスカのそそり立つものを、俺は口に含んで丹念に味わう。 「ダメ……すぐ、出ちゃう」 小刻みに震え出す細い腰をしっかりと押さえ込んで擽るように愛撫すれば、アスカの唇から甘い声がこぼれ落ちた。 「あ……ッ、や、きもちいい……、ミツキ……ッ」 両手が俺の頭に掛かり、髪に指が絡む。そっと見上げれば、月の光に照らされながら淫らに喘ぐアスカは最高に美しかった。 与えられる刺激から逃げるように引けていく腰を抱え込み、快感を上塗りするために口の動きを速めていく。 「あッ、あぁ……、ん、ああァ……ッ!」 ひときわ大きな声と共に、口の中でアスカの欲が放たれる。昨日幾度も愛し合ったせいで薄まっている精を、俺は残らず呑み込んだ。 荒い呼吸を繰り返しながら、アスカは虚ろな瞳で俺を見下ろす。 「もう慣れたか?」 「ダメ。恥ずかしい」 かぶりを振りながら小さく笑うその顔が、本当にかわいかった。 「アスカ……挿れたい」 そう言って口づけると、うっとりとした表情でアスカは「いいよ」と囁いた。細い腰を抱き寄せて、湯舟の中へと誘う。 「こっちにおいで」 「ここでするの?」 「向こうまで待てない」 早く身体を繋ぎたくて後孔に触れると、アスカは小さく喘いだ。湯のぬめり具合が調度いい。そこに指をそっと挿し入れると、中はさざなみのようにうねっていた。 「あ、ぁ……っ、ミツキ、もう挿れて……」 疼く身体を持て余すように懇願するアスカが堪らなく愛おしくて、額に軽くキスをする。湯舟の中で身体を抱き上げて、後ろ向きに膝の上に座らせた。焦らすようにゆっくりとうなじを舌で辿ると、きめ細やかな肌が粟立っていくのがわかった。 「や、早く……ッ」 必死にねだるアスカの後孔に昂ぶるものを押しあてて、一気に貫いた。熱く濡れた中は、包み込むように優しく俺を受け容れてくれる。 「ああっ、ア、あぁ……っ」 後ろから抱きしめながら突き上げると、その動きで水面が激しく揺らいだ。水音がアスカの声と重なり、共鳴していく。誰かが聴いているかもしれない。それでもかまわないと思った。 「んっ、は、あぁ……ッ」 しんしんと静かな夜の中で、密やかに愛し合う。首筋に唇を這わせて所有の証を刻みながら抽送を繰り返すうちに、こぼれる声が甘さを増していく。 「アスカ、愛してる」 耳元で囁くと、一層締めつけが強くなった。振り返るアスカの唇にキスをして、腰を動かしたまま後ろから昂ぶりに手を回す。 「あぁ……っ、ダメ……」 ゆっくりと突き上げながら握り込んで扱いていくうちに、アスカの中が痙攣するように震え出した。 「あ、あ……ッ、ミツ、キ……も、イきそう……ッ」 「アスカ、俺も……」 強い快感が背筋を伝って頭のてっぺんまで駆け上がる。 アスカの身体も、心も。全てが愛おしかった。やっとこの手で捕まえたんだ。もう離さない。 「ああ、あ……ああァ……ッ」 激しく収縮を繰り返すアスカの中で、俺もまた尽き果てる。ぐったりと弛緩していく身体を抱きとめて、乱れた呼吸を整えながら二人で快楽の余韻の中を揺蕩う。 揺れる水面に形を崩していた月が次第に丸く戻っていく。それを眺めながら、欲を吐き出したものをそっと引き抜いた。湯の中で白濁がふわりと花開くようにこぼれる。 「アスカ、大好きだ」 こちらを振り向いたアスカと甘い口づけを交わし合う。会えなかった時間を埋めるように、何度も重ねなおして深く弄っていく。 唇を離すとアスカは恥ずかしそうに目を伏せて、俺に抱きついてきた。 「ミツキといると、安心する……」 ふわりと香る甘い匂いに、胸が締めつけられる。 ああ、アスカ。お前が望むなら、俺は何だってできるよ。 冷蔵庫から出したペットボトルの蓋を開けて、二人で渇いた喉を潤す。 浴衣を身に纏ったアスカは、たった今着たばかりなのに脱がせたくなるような色気を放っていた。 互いの布団に入ると、アスカがこちらに擦り寄ってくる。 「一緒に寝てもいい?」 甘えながらそう誘ってくるのがかわいい。軽く唇を啄んでから、手を繋いで同じ布団の中に入る。温泉の効果なのか、湯冷めすることもなく身体がポカポカと温かかった。 灯りを消せば、静かな暗闇に呼吸の音が満ちていく。 「目が冴えてる。あんまり眠れないかも」 「アスカって、修学旅行でも興奮して眠れないタイプだった?」 「うん、そう」 闇に目が慣れてくると、はにかむような笑顔が見えた。 「俺、アスカのことが本当に好きなんだ」 そう告げれば、俺を映すその瞳はあまりにも美しくて、ただ見ているだけでなぜか胸が痛くなった。 「だから、アスカの抱えてるものを俺はちゃんと受け止めるから」 哀しみも、苦しみも、全てを。 アスカは長い睫毛を震わせながらゆっくりと目を閉じる。 「ねえ、次は僕の番だね。告白……」 開かれた瞳には、儚げな光が痛々しく滲んでいる。けれど、紡がれた言葉は告白などではなかった。 懺悔だ。

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