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act.7 Angelic Kiss 〜 the 1st day 5※

「ああ、タクマ、さ……ッ」 切なく雫をこぼし続けるそこを強く握りしめて扱き上げた瞬間、掌の中のものがドクリと大きく震えた。 「──ッ、あぁ、あ……っ」 その先端から断続的に吐き出される白い液体が、薄い胸の辺りまで派手に飛び散った。目を閉じて荒い呼吸を繰り返しながら、ハルカはぐったりと身体を弛緩させていく。 今の今まで他人のものを触るだなんて考えたこともなかった。なのに、俺は自らの吐き出した白濁に濡れたハルカを見て心底きれいだと思った。 小さく上下する胸元に口づけて、ついでに好奇心からそれを舐め取ってみれば、何とも言えない苦味が口の中に広がった。 ああ。この年になって、新境地を開拓したな。 苦笑する俺に不思議そうな眼差しを向けるハルカは、本当に彼女そっくりのきれいな顔をしている。 「今拭くから、じっとしてて」 そう言って枕元のティッシュを取り出し、濡れた肌を拭おうとすれば、ハルカはゆっくりと起き上がって胸元から下へと伝い落ちる白濁をそっと指先で掬い上げる。 「……タクマさんと、ひとつになりたい」 愁いを含んだ甘やかな瞳で俺をそう誘って、ハルカは微笑む。それを拒む理由なんて、どこにもなかった。 「手を貸して」 言われるままに掌を差し出せば、自らの放ったぬるい体液を俺の指に塗り込んでいく。息を潜めながら、丁寧に。 それはまるで、身も心も全てを俺に委ねるための儀式のようだった。 「タクマさん、好きだよ」 それでも好意の言葉を紡いでるはずの唇は微かに震え、溢れんばかりの情欲を浮かべる瞳は怯えたように揺れていた。 それは、この行為を心のどこかで躊躇っているからかもしれない。 「ハルカ、俺は」 戸惑いながら口を開く俺に、ハルカは我に返ったようにきょとんとした表情を見せる。その顔もまた、かわいかった。 「男を抱いたことがないんだ。だから、加減がわからないし、お前に負担を掛けてしまうかもしれない」 やめるなら今だ。お前がやっぱりできないと言うのなら、俺はちゃんとその気持ちを大切にしたいから。 それは俺の最後の理性だった。けれどハルカはその言葉を聞いた瞬間、頬を緩ませる。 慈愛に満ちた、聖母のような微笑みだった。 「そんなの、僕は大丈夫だよ」 きれいな顔が近づいてくる。唇が触れ合う寸前、ハルカは音楽を奏でるように囁いた。 「いっぱい愛して……」 切実に求められてることは感じていた。 けれど、ハルカは偶然出会った俺のところに飛び込んできただけで、けっして俺を愛してるというわけではない。 「わかった」 そう答えて小さく開いた唇を塞いでいく。舌を挿し込みながら背中を支えて押し倒し、ベッドに押しつけるように身体を重ねた。 互いの躊躇いを打ち消し合うように咥内を弄っていけば、燻っていた焔は容易く燃え上がっていく。 唾液を絡ませる濃厚なキスを交わしながら、ハルカの放ったもので濡れた指をそっと後孔へ滑らせた。 しっとりとした感触の襞をぐるりと指先でなぞれば、鼻から小さく声が抜ける。 「……ん、ふ……っ」 何度もそうしているうちにハルカの腰が揺らめいて、小さな窄まりに指先が吸い寄せられる。 「挿れ、て……」 熱に焦らされて掠れた声が耳元で甘く快楽をねだる。ゆっくりと探るように中へと進めていけば、そこはきつく締めつけながらぬるりと指を呑み込んでしまう。ハルカは息を吐きながら時折小さく声を漏らして俺を煽る。 奥まで辿り着けば、熱く熟れたハルカの中は誘うように俺の指に絡みついてきた。その感触のえも言われぬ気持ちよさに思わず息をついた。 恐る恐る指を動かしていくと、ハルカが背中に腕を回してギュッとしがみついてくる。 「……ん、あ……っ」 指の動きに反応して蠢く中は、抽送を繰り返すうちに蕩けるように柔らかくなり、指全体に波のような刺激を与えてくる。 まるで指が性感帯になったみたいだ。ハルカの熱に呑まれるままに、俺の欲望もまた高まっていく。挿れる本数を増やして動きを速めていけば、次第にハルカの反応も大きなものへと変化していった。 「──あぁっ、は……あッ」 奥のひときわ感触の違う部分を指の腹で押しつけるように動かせば、ハルカの身体がビクリと跳ね上がった。少し硬く膨れたそこは、どうやらハルカの弱い部分のようだった。 「あぁ、あ……」 もう一度そこを押してみれば、ハルカは上擦った声をあげながら白い喉を仰け反らせる。その一点を中心に捏ね回しながら擦っていくうちに、ハルカは喘ぎ混じりの声をこぼしながら腰を揺らめかせて俺に押しつけてきた。 視線を下げてみれば、触れてもいないのに硬く勃ち上がったその先端は、次から次へと溢れる先走りで艶かしく光を放っている。その雫が触れ合う肌を濡らすのが何とも言えず官能的だった。 全身で俺を煽りながら、ハルカはめくるめく快楽の底へと沈んでいく。 「ハルカ……」 俺が名を呼ぶのを待ち受けていたかのように、ハルカは強く抱きついてきた。汗ばむその身体をしっかりと抱き返せば、息も絶え絶えに限界を訴える。 「あァ、タクマ、さ……、イきそう……」 しがみついてくるハルカを片腕で支えたまま、中をいっそう強く擦り上げた途端、指の感触に変化が表れた。 「──ああ、あっ、あ……ッ!」 喰い千切られるかというぐらい強く締めつけられて、次の瞬間にはわずかに緩まり、また同じように締めつけられる。 ようやく訪れた絶頂を悦ぶように、そこは何度も収縮を繰り返していた。その波に身を委ねるハルカの姿は、ただひたすらに艶めかしく美しい。

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