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探偵と刑事とペット・二△

 シドは寝ころんだままおれのほうを見ている。 「犬はそんなことしないよ」  そう言うので、おれもくじけかけたが、引くもんかと決める。 「わぅ、ううっ!」  恥を忍んでできるだけ犬っぽく鳴き、シドの股間をぺろぺろ舐めた。耳まで真っ赤になっているのが自分でもわかる。  あの人はくすっと笑った、らしい。頭に大きな手が乗せられたのを感じて、おれはふるっと震える。犬のじゃない、おれの本物の耳を触られて、ふるふるっと震えてしまった。脚のあいだが痛い。これぐらいのことで。おれはちょろい。  あの人はおれの目を見つめてささやいた。 「お風呂入ってないけど、いいのか?」  おれはこくこくうなずく。 「じゃあ、食べる?」  おれはまたこくこくうなずいた。本物の犬だったら、尻尾をぶんぶん振ってるところだ。あの人は体を起こしていたずらっぽく言った。 「じゃあ、いいよ。ただし、ちょっと待ってて。ぼくもプリンを食べるから」  そう言って、あの人は呑気にプリンを食べはじめる。早くして。股間が、股間が苦しい。もうギンギンなんだ。あの人の目が、舐めるようにテントを張ったおれの股間を見る。見ながらプリンを食べている。上下する喉仏。思わず手が動く。自分の内腿の上に手を這わせていると、シドはもぐもぐしながらきっぱり言った。 「待て」  おれは我慢する。待ちます、待たせてください。むしろ、焦らされることで興奮し、気持ちいい。おれはみっともなく股間をギンギンにして、じりじりしながら待った。  シドはプリンを食べ終えると、舌できれいに唇を舐めた。唇がつやつやしてる。キスしたい。興奮するおれに反して、シドは余裕だ。ゆったりベッドに仰向けになり、スラックスのボタンを外しジッパーを下ろした。膝まで下げる。筋肉が発達した、逞しい太腿があらわになり、おれは涎れを垂らす。それに……黒いボクサーパンツに包まれた、豊かで優美な隆起。ごくんと唾液を飲みこんだ。それでも、口の中に涎れが湧いてくる。  シドは腰を浮かして下着を下ろした。中から出てきたものは、くったりしていても堂々としたサイズ感とボリューム。心臓がどきどきして、体が蕩ける。 「わぅ、わぅ」  おれは小さい声で鳴いて、おずおずとシドの股間に顔を近づけた。  たしかに、風呂に入っていないから性器のにおいがきつい。頭が朦朧とする。根元をぺろっと舐めてみる。あったかい。太腿に向かって頭を垂れている、赤黒い先端を舐める。ぴくっと動いた。太腿に顔を埋めて、性器を口に咥える。  シド、帰ってきてからトイレ行ったのかな。ちょっとだけ、おしっこの味がする……。  それがおれの被虐欲に火をつけた。じゅるじゅる音を立て、亀頭を吸う。竿の真ん中あたりまで口に入れて、頬をへこませるようにして勢いよく吸った。 「ん……」  鼻にかかったシドの低い声に、おれのちんこもますますギンギンになる。腰をもぞもぞさせながら、シドの肉茎を咥えて、ねっぷりとしゃぶった。先端からとろっとカウパーが溢れてくる。おれはそれをちゅるちゅると吸った。しょっぱいけど、嫌いじゃない。でも、ザーメンのほうが好き。  喉の奥にいっぱい注いでほしい。  おれはうっとりしたまま、シドのちんこをしゃぶる。それはさらに硬く太くなって、尖った頭はおれの喉を刺しそうだ。口の中が身をもたげたぶっとい肉棒でいっぱいになる。おれは亀頭を頬の内側に擦りつける。舌が圧迫されて苦しいけど、我慢。口から出すと、シドのものはぶるんと揺れて飛び出してきた。唾液がだらだら垂れて、ペニスと繋がっている。 「エドは発情期なのか?」  据わった目でささやくあの人に、おれはがくがく首を振ってうなずく。シドはくすっと笑った。 「プリンを食べたので興奮しちゃったんだな」  恥ずかしかったけど、おれはこくんとうなずいた。目の端にギンギンに勃起しているシドのちんこが映って……興奮で苦しい。 「エドは相変わらずドMの、変態だな。恥ずかしい子だね」  おれはぶるっと震え、口から「くぅうん」という鳴き声が漏れる。恥ずかしい。でも、よけいに発情してしまう。シドは起きあがり、おれの顎をぐっとつかんだ。目の中を覗きこんでくる。震えながら目を逸らしたら、「見るんだ」と言われた。おそるおそる、目を見る。シドの目は飢えた狼のそれだった。 「淫乱め」  あの人は優しく言った。おれは我慢できなくなって、あの人の唇にキスする。口を開けると、シドの舌が中にすべりこんできた。ねっとりと絡められて、もう、股間が苦しい。同時に感じる寂しさ。ケツの奥が切なく疼く。開いてほしい。奥まで掘ってほしい。 「わぅ、んん……っ」  キスの合間に息を漏らして擦り寄ると、シドはおれの体を抱きしめてくれる。くちゅくちゅ音を立てながら舌を吸い、生ぬるい唾液を飲みこんだ。シドの手がおれの胸に這う。乳首をつままれて、喉から「ひんっ」と声が漏れた。  あの人はおれの乳首をつまんで、軽く引っぱる。爪の先で引っ掻き、弾く。そうされるたび、ちんこに電流が走って腰が反った。 「シ、シド……っ」  思わず名前を呼ぶと、「だめ」と言われた。 「犬はしゃべれないんだよ」  くうんと鳴いて、おれはうなずく。ご主人様にひしっと抱きついて、おねだりするように頬を舐めた。あの人の手がおれの腰を抱く。 「最後までしなさい。いいね?」 「……わぅ、わんっ」  おれが腰をくねらせると、シドは据わった目でささやいた。 「どうしたんだ?」 「わんっ」 「ん?」  おれはシドの頬をぺろぺろ舐める。それから頭を垂れて、恥ずかしさに悶えながら逞しく勃起したペニスにキスした。シドは微笑んだ。 「エドはほんとにおちんちんが好きだな。いいよ、食べて」  ちがう、ケツに欲しいんです。でもしゃべれないから伝えられなくて、もどかしさのあまりじっと目を見つめる。シドはおれの目を見つめ返した。 「しなさい」  ぷるっと震えて、おれはそのままシドのちんこを口に咥える。そそり勃った肉棒をじゅるじゅる吸いながら、今夜はケツにはないのかな……と寂しくなった。だから、下着の中に手を入れて、自分のものを握ろうとする。しかし、シドに「やめなさい」と止められた。 「きみがしていいとは言っていない」 「わぅ……」  おれは爆発しそうに昂ぶったまま、自分のペニスはほっぽりだして、シドの牡に貪りついた。苦しくて切なくて大好きで、目に涙が浮かぶ。おれは犬がミルクを舐めるようにぴちゃぴちゃシドのペニスを舐めた。口に咥え、喉に向かってスライドさせる。頬の肉で圧迫し、自分の顔が歪むのも無視して吸いあげる。皮に舌を這わせて、はむはむ啄む。シドのちんこの味をすごく感じる。舌と口の中に焼きつけられるように。  頭を撫でられているのもあって、おれはとろんとしてしまった。 「んぶ……ふぅ、うん……んっ……」  シドのペニスを根元まで咥え、喉を締めながら、ケツを上げた格好で頭を前後させた。シドの髪はもう半分ほど白くなってるのに、下の毛は真っ黒だ。おれはこの毛が好きだった。咥えていると頭が朦朧としていく。おれの股間はもうびしょびしょだ。触りたいけど許されなくて、でも「待て」をされているとよけい感じてしまう。触らないように、シドの腰を両手でぎゅっとつかんでいた。  それなのに……シドはおれの乳首を触ってくる。つまんだり、引っぱったり。そのたび、ちんこに電流が走る。くにくにと尖った部分をいじられて、体の芯がどろどろになる。 「こんなに勃起させて」  耳元でささやかれて、おれの体はびくびくっと跳ねる。シドの指先が尖った頭を柔らかく揉んで、腰をくねらせてしまう。それでも、なんとかシドのちんこをしゃぶった。 「エドは頑張り屋さんだね」  そう言って、優しく頭をなでてくれるご主人様。それだけで、おれはなにもいらないんです。  おれはシドのモノをはぐはぐと食った。ぱんぱんに張った袋も舐め、唇で啄む。ふたたびちんこを咥えたとき、それが痙攣をはじめた。 「そろそろ出るよ」  低い声でささやくあの人に耳のふちを撫でられて、おれも準備する。いつでもおれの中に、濃いザーメン吐き出してください。  どうしても飲みたかったから、口に咥えたまま待つ。犬だから手は使わなかったけど、いいや。使っちゃおう。人差し指の先で、裏側を根元から頭に向かってつつーっと撫で上げたら、シドは「ん」と声を漏らして射精した。 「んぐっ!」  喉に大量に注がれて、おれは目を白黒させ、手をばたばたする。ほんとに濃い。しかも、やっぱり溜めてたんだな。なんか、精液の中にどろっとした塊があった。飲みこみにくい。生臭い。でも、おれは頑張って飲みこむ。シドも最後まで飲ませるつもりらしい。おれの頭を、性器を咥えた状態で上からしっかりホールドしている。 「んく、んく」  吐き出しそうになるのをこらえて飲みこむ。ちゅるっと音を立てて最後の一滴まで食べた。 「はぁ、はぁ……っ」  許してくれたので、頭を離し、口から唾液を垂らしたままぶるっと震える。しばらく呆然としていると、あの人に仰向けに押し倒された。 「うぁ!?」  おれが素っ頓狂な声を上げてベッドに倒れると、シドはおれのボクサーパンツのウェスト部分をつかみ、力任せに引きずり下ろした。 「み、みな、見ないでっ」  そう言って手で脚のあいだを隠そうとするけど、シドにどけられる。彼はおれのぐじょぐじょになったペニスを口で咥えた。 「ひんっ!」  喉から裏返った声が出る。ぞくぞくっと狂おしい電流が走る。おれは脚を開いていた。シドが貪りついてくる。おれはあの人の頭を抱えて、熱くぬらぬらした口の中に勃起したちんこを擦りつけていた。かぽっと咥えられ、ピストンされて、ぐちゃぐちゃになる。足の指が攣りそう。 「んう、わぅ、あぅうんっ」  シドのねっとりした口に責められて、おれは我を忘れた。イってすっきりしたばかりなのに、おれのことを思いやってくれるご主人様。幸せで涙がぼろぼろ出てくる。  責められるまま、おれは果てた。  シドはおれの精子を全部飲んでくれると(おれも溜まってたから、きっと濃かっただろうな)、体を起こして言った。 「エド、お掃除」  おれは言われたとおりに、まだ荒い息をつきながら、シドのくったりしたそれに舌を這わせた。精子まみれになっているそれを、丁寧に舐めてきれいにする。そのあいだ、シドに頭を撫でてもらう。幸せだった。この人のペットでよかったと心底思う。  お掃除が終わると、シドはおれをぎゅっと抱きしめた。 「いい子だね、エド。きみは最高のペットだ」  頭を撫でられながら、おれは思った。たしかにおれたちは相棒かもしれない。でも……主導権を握っているのは、いつだってこの人なんだよな。  ペットだからそれでいいんだと、あの人の胸の中でおれは思った。  だって、おれは、愛されているから。

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