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第7話 告白
「お待たせ。どっち方面?」
「へっ?」
「帰り道だよ! 僕は駅の方」
「俺は団地です」
「真逆だね。じゃあ仲橋まで行って
戻る感じにすると少しは長く話せるかな」
頷く俺の腕を軽く引っ張りなつき先輩は
歩き出した。
「佐々木君さよなら」
「今日は有難う! 明日もよろしくね」
読書部の人だ。
「さよなら」
一応俺も挨拶はした。
暫くお互い黙って歩いた。
「あの……さっきの……」
「告白? の話しだよね。有難う!
嬉しかったよ。男子から告白されたの初めてだから」
そりゃそうだよ。俺だって初告白が男子
なんて……信じられないんすから。
「おかしいすっよね。いや~自分も初めてでこんな気持ち……」
優しく微笑む夏生は、
「そっか。そうなんだ……実はさ、昨日廊下ですれ違ったよね。目合ったの覚えてる?……僕は昨日笹山君に恋したんだよ」
俺は意味が理解できないでいた。
それは俺だ! 俺が感じた気持ちだぞ?
う~ん判らん。
「って言う事は佐々木夏生先輩!もしかして、俺たちは同時に一目惚れしたんすか?」
夏生はにっこり頷き、
「面白いよね。時間的にはそうなるんだ。それから僕も初めてなんだよ。男子に対してドキドキ為たの」
まじか~まじか~まじか~まじですか。
「じゃあですね。俺ら両想いでいいんですか? あっいや……佐々木なつき先輩と俺……」
「そうなるかなぁ。多分」
「多分なんて……両想いだから、佐々木夏生先輩は俺の恋人ですよね? 恋人様よろしくお願いします!」
「アハハ何? 恋人様って。まだそこはいまいち良く判らないけど……今こうして幸くんといると嬉しくなるんだ。
だから、こちらこそよろしくね」
なんか焦れったい! 好きって言って欲しいよ。
「言葉にならないくらい佐々木夏生先輩が好きなんです。考えると苦しくなります」
そんなキラキラした目で見ないでくれ。抱き締めたくなるよ。
「うん……僕もあれからずっと考えていた。だから図書室の前で幸くんを見たとき、咄嗟にトイレに連れ込んじゃった。ふたりで話したくて。きっと舞い上がっていたんだ。大事にする幸くんの事」
「俺もあの廊下の後から、ずっと考えていました。早く逢い逢いたいって。俺こそ大切にします。佐々木夏生先輩の事!」
「嬉しいなぁ。それとねふたりの時は夏でいいよ。佐々木夏生先輩は嫌だな。
みんなと一緒の時は夏生先輩ね。
僕はふたりの時は幸って呼ぶから。
みんなの前では笹山って呼び捨てにしていい?」
「はい! よろしくお願いします!」
「幸、敬語止めて」
「……うん……な…つ……よろし…く」
「可愛いよ幸」
「好き……だっ、夏!」
真っ赤になっている夏。
可愛い、可愛すぎる。
ムラムラするってこんな感じなんだ!
美智也~悪いが俺! お先に~行きます。
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