8 / 33

第8話 初めてのキス

俺たちは途中児童公園に寄った もうとっくに五時を過ぎているので 公園には人影は無かった コンクリートの筒が幾つもの並んでいるひとつに俺たちは入りこんだ 「懐かしいよね こんなんで良く遊んだよ!」 夏は無邪気に登ったり降りたりと 喜んで遊んでいた 俺はませすぎなのか…… ついこの間まで小学生だったのに 夏を前にしていると 抱き締めたくて キス為たくて 堪らなくなる 経験なんてある訳ない 漫画とか映画の世界では 見てる程度 自分がなんて考えたことも無いよ 昨日まで知らなかった俺自身の気持ち 昨日まで知らなかった恋なんて 「好き……夏……大好き」 「何? なんか言った? 聞こえないよ。もう一度言って」 なんて可愛い顔して見るんだよ。 「何度だって言うよ。夏……好きだ。大好きだよ。それに可愛い本当に可愛い」 俺は夏の頰を両手で挟み、触れるだけのキスを為てしまった。 「えっ こう? 今……」 夏は嫌がらなかったけど……俺の胸に顔を埋めた。 「恥ずかしいって。可愛いなんて言うなよ……」 「だって、可愛いんだから仕方ないよ。 可愛いって言われたくないの?」 「ううん……男子に言われたことないからびっくり為たんだよ。じゃぁもう一度言ってみて」 夏はもう一度が好きなんだな。ったく可愛いすぎる! 反則だよ! 「夏可愛いよ。抱き締めたいくらい 可愛いよ」 ちょっとバージョンアップ為てみた。 「嬉しい! 嬉しい気持ちが溢れた!」 天然人垂らしですか? 俺は調子に乗る! 完全に乗った。 夏は俺のものだ。 「夏は俺のものだよ 良い?」 「うん……こうは僕のものだね?」 俺たちは頷き合い二度目のキスを為た。 さっきより随分長かったな……

ともだちにシェアしよう!