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第11話 朝は忙しい!
「おはよ~幸!」
「おはよ~美智」
俺は何気なくあたりを見る。
いないかぁ……夏! 顔みたいよぉ。
「なぁ本気で読書部に入るの?」
「ああ~当たり前だ!っうかお前こそホントにバスケ部なん?」
「それこそ当たり前! もう入部届出した!」
「早!って 俺も出したけどな」
「でもさ、なんでなんだよ。理系のくせに納得いかない」
「馬鹿だね。だからこそ! 入る意義があるんだよ。苦手克服ですよ~」
「なるほどねぇ。お前深いな」
美智也~お前はなんと単純なんだ。
でも……暫くしたら、こいつには話さないと……味方が欲しいし、この気持ちを判って欲しい。待たまだ心細いんだ。
「みっちゃん相談がある」
みっちゃんって俺が呼ぶ時は、悩みがあるって事なんだ。
「了解! いつでも聞くよ」
ああ~良い奴! ホントに一生もんだ。
「笹山 おはよ~」
振り向くと……夏!だ!
「おっと、おはようございます。佐々木夏生先輩!」
夏は笑いながら、
「有難う! フルネーム宣伝為てくれて」
「佐々木! おはー」
夏は同級生の方へ走って行った。
俺は夏の後ろ姿を暫く見送っていた。
そして溜深い息をついた。
「幸? お前さぁ……俺判ったかも」
美智也は真顔で俺を見た。
携帯が鳴った。ラインが来てる
夏だ! 一瞬どっくん心臓が痛んだ
携帯を上着のポケットに滑り込ませる。
「何?なっ何が?」
平静を装う俺の耳元で、
「昼休み屋上で食べるぞ」
止めろよ! まじな顔。
「判ったよ 迎え来いよ」
美智也は時計を見ながら、
「うん! 走るぞ。 時間が!」
周りを見るといつの間にか人が消えてる! やべー HR始まるじゃん!
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