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第15話 近づく気持ち。
全く美智也には困ったもんだよ。
泣かなくたっていいじゃないか~
驚くのは判る。俺だって驚いてるんだから。まあでも馴れろよ美智也よ、俺も馴れるからなっ!
放課後図書室に飛んでった。
「笹山!」
振り返ると夏が追いかけてきていた。
笹山だって! 格好いい! キュンとしたぞ。
「夏……先輩!」
少し息が上がっている夏が可愛い。
はにかむ笑顔がもっともっと可愛い!
「ハァ~幸速すぎ! 今日も一緒に帰ろうね。僕が少し遅くなっても、ちゃんと教室で待ってて。先に帰っちゃ嫌だからね」
夏の顔を覗き込み、
「判ってる! まってるね夏……先輩!」
ゴツン! 鈍い音と共に結構な痛み!
痛ぇ! 誰だ頭ぶったの! 後を振り返ると加藤がたっとる。
「先生~酷い! 何でぶったんですか!」
「佐々木には目配せしてたもんな?
なっ! 佐々木!」
夏はクスクス笑っている。
「部活いけよ! こそこそ立ち話為てないで!」
「はーい 行きますよ~」
「佐々木、こいつがうちのクラスの図書委員だから宜しくなっ」
「了解! しごきますから安心してね
笹山くん!」
ったくなんだよな、加藤~夏と馴れ馴れしく話すな! 汚れるだろう。
俺は夏を促して図書室にはいった。
そこには見慣れない顔を男子が本の整理をしていた!
「こんにちは! 読書部に入部した一年です……」
「笹山 ここに名前書いて!」
「部長、笹山幸くんです。今年は彼ひとりです……男子」
「そっか。よろしくな。俺は橘 勝也 読書部の部長です。男子少ないから仲良くやろうな」
「勝也先輩今日は何しますか?」
夏が声をかけると、
「うん? 今日大丈夫だよ。夏名簿整理出来たら帰ってくれて」
「判りました。名簿出来ているので。 じゃ笹山くんも帰します」
勝也先輩は、優しく微笑み頷いてくれた。俺たちは挨拶して図書室を出た?
「勝也先輩って大人ぽいですね。綺麗だし……俺は心配です夏が……」
「馬鹿! あるわけないだろ。勝也先輩は、彼女いるし。それに僕は幸が大好きなんだから」
思わず大声出してしまった夏は、みるみるうちに顔を真っ赤にして、物凄い早口で、
「校門で待ってる」
と言うと、二年の下駄箱の方へ走って行ってしまった。
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