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第17話 おい! 選りに選って
あれから少しだけ不機嫌な美智也が相談したい事があるとラインを寄越してきた。こう言う時のラインは面倒くさい。
文章をこねくり回して作るより電話だ!
「お~如何したの?」
「う…こんなこと幸に相談するとは……情けないが……とりあえず屋上で話すから弁当持ってきて」
「良いけど……なに?」
「明日!はなす!」
そう言うと美智也は電話をブチっと切った。よっぽどのことだとは判る。
全く元気が無い為なぁ。あの好きな先輩のがだめだったのか? 恋愛で俺が答えられる事があるとは到底思えないぞ。
然し人間、話せば楽になるパターンもあるから。
俺なりに頑張ってみようとは思う。
なんせ幼なじみだから。
翌日昼休みに弁当を持って屋上に行くと、美智也は来ていた。
早!なんだ? あの虚ろな感じ。
「待った?」
美智也は元気無く首を横に振った。
「どうしたの? みっちゃん」
俺たちは座って弁当を広げた。
「うん……」
「早く言わないと時間無くなるよ」
「判ってる! 幸はさ佐々木先輩と何で両想いになれたん?」
いや~照れるわ~まじ聞きたい?
「噓のようなホントの話だからな。
実は、廊下ですれ違ったその時同時に一目惚れしたんだ。後から聞いてビックリしたよ」
「その時どんな感じだった?」
「ドキュンって感じ? 一瞬動けなくなる。その後は佐々木先輩しか見えなくなる……」
「やっぱりそうかぁ……俺橘先輩にはそんなこと感じないんだよ」
「まぁまぁ早く判って良かったよ!
これからの三年間で好きな人きっと現れるからさ。気を落とすなよ!」
美智也は突然笑い転げ出した。
「何だよ!」
「俺……いますよ。ときめきの君」
「早! それ誰よ? 教えて~」
「うふふ~お前の担任加藤だよ!」
おい! そんな冗談やめろ! ったく!ふざけすぎだぞ。
「冗談はよせ~」
あれ? 美智也は真面目な顔為ている。
「馬鹿~俺は至って真面目だよ。もう告ったから」
ええっ! なんとやることなすこと早いよ!いや、それおかしいだろう?
相談はどうしたんだよ。
俺ば平静を装い、
「で? 返事は貰ったの?」
「まだだよ」
まだだよ、じゃぁねえぇよ。
お前振られるよ! うん……振られる。
百パーセント無理だ、無理に決まっている。
慰めたくねぇ。
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