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第22話 兄貴はだめ兄貴?

 俺と夏は駅で待ち合わせをして 二駅先の加藤のマンションに向かった。 「こんにちは! お邪魔します」  一応夏も生徒らしく挨拶をして上がった。 「今日は悪いな……休みなのに」 少し照れながら奥の部屋に案内してくれる加藤の背中に向かって、 「本当だよ! 兄貴しっかりろ!」 夏はいつもと違い、結構きつい物言いをする。 「だって! 判んなくなっちゃったの!」 おいおい加藤~お前弟か? しっかり! 夏に甘えるなよ~ 「あのなぁ先生~早速だけど。あれから考えた?」 加藤は天井を仰ぎ黙ったままだ。 「兄貴は美智也くん好き? そこが一番大事だよ。どうなの?」 黙ったまま今度は下を向いてしまった。 「先生~正直に為らないと駄目だよ」  「お前そう簡単に言うなよ!」 夏は追い込む。 「簡単でしょ! 今美智也くんの事考えたら自分どうなるかって事だろうが」  何だ? 赤くなってるじゃ無いか。 えっ~両掌で顔を覆ってしまうってことは……俺と夏は顔を見合わせ頷き合い、 確信したのだった。 「兄貴は美智也くんが好きなんだね。 付き合いたいんだろ?」 まあまあ立場上はっきりとは言えないだろう……そんなに夏追い込む? 上擦った声で加藤が聞いてきた。 「やっぱり付き合うのは駄目だよな? 拙いよな?」 夏はそれには答えず、 「こう? 美智也くんのご両親はカミングアウトされてるの?」 「勿論! 早く良い相手が見つかって欲しいって、うちの母ちゃんに話してるよ。変な人に引っ掛かって酷いめに合わないことが一番だからさ」 夏は加藤の頭を叩き、 「しっかりしろ! もし付き合うなら、美智也くんのご両親の前で告白を受けたら?」 成る程ねぇ 夏は頭良い~公認取るって 尚かつ、加藤に自重を促す 「で! 兄貴は美智也くんを抱けるの?」 わあわあストレート過ぎる!そんな! 「いやいや~高校生に為らないと、そりゃ拙いでしょ……」 「抱きたいほど好き?」  夏! 迫りすぎだ~ 「まぁまぁキスはしたい~」 「今すぐにでも?」 加藤! 落ち着いて! 夏に乗せられるなよ! 「もし、ここに美智也くんとふたりだったら? どうなの? 僕たちは今すぐにでもしたいよ! ねっこう?」 「あっ! えっ! あっ当たり前だ!」 俺は何を血迷ったのか~夏を抱き寄せ加藤の前で!!キスをしてしまった! 加藤は目が点になり、固まってしまっている。その傍で夏は笑い転げている。 俺は……頭を抱え込んでしまった 「俺間違えた?」 「ううん。間違えてないから~嬉しかったよ」 夏は改めて俺の顔を上に向かせると、 深いキスをしてくれた。 加藤は羨ましそに、 「お前ら良いなあ。幸せだなんだな。 羨ましよ」 当たり前だ! 俺らは幸せだっうの。

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