21 / 33
第22話 兄貴はだめ兄貴?
俺と夏は駅で待ち合わせをして
二駅先の加藤のマンションに向かった。
「こんにちは! お邪魔します」
一応夏も生徒らしく挨拶をして上がった。
「今日は悪いな……休みなのに」
少し照れながら奥の部屋に案内してくれる加藤の背中に向かって、
「本当だよ! 兄貴しっかりろ!」
夏はいつもと違い、結構きつい物言いをする。
「だって! 判んなくなっちゃったの!」
おいおい加藤~お前弟か?
しっかり! 夏に甘えるなよ~
「あのなぁ先生~早速だけど。あれから考えた?」
加藤は天井を仰ぎ黙ったままだ。
「兄貴は美智也くん好き? そこが一番大事だよ。どうなの?」
黙ったまま今度は下を向いてしまった。
「先生~正直に為らないと駄目だよ」
「お前そう簡単に言うなよ!」
夏は追い込む。
「簡単でしょ! 今美智也くんの事考えたら自分どうなるかって事だろうが」
何だ? 赤くなってるじゃ無いか。
えっ~両掌で顔を覆ってしまうってことは……俺と夏は顔を見合わせ頷き合い、
確信したのだった。
「兄貴は美智也くんが好きなんだね。
付き合いたいんだろ?」
まあまあ立場上はっきりとは言えないだろう……そんなに夏追い込む?
上擦った声で加藤が聞いてきた。
「やっぱり付き合うのは駄目だよな? 拙いよな?」
夏はそれには答えず、
「こう? 美智也くんのご両親はカミングアウトされてるの?」
「勿論! 早く良い相手が見つかって欲しいって、うちの母ちゃんに話してるよ。変な人に引っ掛かって酷いめに合わないことが一番だからさ」
夏は加藤の頭を叩き、
「しっかりしろ! もし付き合うなら、美智也くんのご両親の前で告白を受けたら?」
成る程ねぇ 夏は頭良い~公認取るって
尚かつ、加藤に自重を促す
「で! 兄貴は美智也くんを抱けるの?」
わあわあストレート過ぎる!そんな!
「いやいや~高校生に為らないと、そりゃ拙いでしょ……」
「抱きたいほど好き?」
夏! 迫りすぎだ~
「まぁまぁキスはしたい~」
「今すぐにでも?」
加藤! 落ち着いて! 夏に乗せられるなよ!
「もし、ここに美智也くんとふたりだったら? どうなの? 僕たちは今すぐにでもしたいよ! ねっこう?」
「あっ! えっ! あっ当たり前だ!」
俺は何を血迷ったのか~夏を抱き寄せ加藤の前で!!キスをしてしまった!
加藤は目が点になり、固まってしまっている。その傍で夏は笑い転げている。
俺は……頭を抱え込んでしまった
「俺間違えた?」
「ううん。間違えてないから~嬉しかったよ」
夏は改めて俺の顔を上に向かせると、
深いキスをしてくれた。
加藤は羨ましそに、
「お前ら良いなあ。幸せだなんだな。 羨ましよ」
当たり前だ! 俺らは幸せだっうの。
ともだちにシェアしよう!