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第29話 やるぞ!
サンドイッチをごちそうになって部屋に戻ると、夏が疲れたと言ってベッドに横になった。
手招きされて隣に横になった。
俺は……我慢出来ずに啄むように唇を求むてしまった。
夏は優しく抱き締めてくれる。
「そう言えば、夏陸上部員なの?」
「うん……怪我したんだよ。アキレス腱痛めてね。秋には復帰出来るってお医者様は言ってるけど、僕は辞めようと思ってるんだ」
理由を尋ねると、
「勉強頑張ってさ、大学は国立行きたいんだよ。私立いくほど家にお金無いからさ」
「高校はどこに行きたいの?」
「この辺だったら、北高か山高。
まあランク落として川高かなあ。
浪人したくないから必死だよ」
俺は恥ずかしく為ってきた。
普通が一番なんて嘯いて……俺の大好きな人はこんなに悩み、目標を立てて毎日頑張っていたんだ。
「俺も頑張って、夏の行った高校に行くから……ずっと恋人でいて!」
夏はぎゅっと抱き締めてくれて、
「こう……ふたりなら励まし合う事が出来るね。僕たち……恋人だもの」
「うん! 恋人だもんね! 随分先の事だけど……大学行ったら一緒に住もうよ」
夏は一瞬固まったが、
「凄い! 嬉しい目標が出来た! 僕頑張れるよ! じゃぁまずはふたりで
学校の勉強を頑張ろよ。その目標が叶ったら、その時……恋人として愛し合いたいね。それまではキスだけ……」
「……もう少し先は? だめ?」
「えっ!こう……調べたの?」
「少しね……少しだけだよ」
「例えば?」
俺は夏の耳元にキス為ながら、
「触れるとか……あの……ちん……に」
暑い! 夏も真っ赤だ。何か言ってよ!
「まあ~それくらいは~あり? かな?」
そんな~俺に聞かれても答えられるのか俺! いやいやどっちだ!
答えられる? 応えられる?
どうなの俺! やれるの俺?
やろう! やってやる! 根拠はないけど頑張る!俺は男だ!
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