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第31話 それぞれの想い

 月曜日になり、俺は夏といつものように待ち合わせをして登校した。 校門で加藤が生徒たちに声をかけながら服装等のチェックをしている。 「おはようございます」 「おぉ、おはよう!宿題やって来たかぁ」 「うい~す」 「朝礼あるからな! 急げよ」 夏が傍に行き何やら耳打ちしている。 加藤は、少し赤くなりながらうんうんと頷いている。 加藤は俺の方を見るとニヤリとも笑った。そして周りの生徒たを急き立てるように手を振りながら 「時間ないぞ! 鞄置いたらすぐに校庭に集合!」 夏と俺は下駄箱までダッシュした。 何のきなしに振り返ると、美智也が加藤と話しを為ているところだった。 加藤も美智也もやっぱり嬉しそだ。 話を終えた美智也は加藤に一礼すると、俺たちに目がけて駆け寄ってきた。 「夏先輩おはようございます! 昨日は 有難うございました! お蔭様で幸せいっぱいの時を過ごせました!」 「おはよう美智也くん! 良かったね。 あれ末永くと仲良くしてやって下さい」 まるで兄貴だよね夏は。 満面の笑みで頷いている美智也が、 「幸! 昨日はサンキューな。昼飯さ、屋上で食べようぜ……夏先輩もどうですか?」 「元から屋上で約束為ていたから、ねっ夏先輩!」 可愛いく頷くこうとしているのに。 周りに二年が増えてきた。触るなよ夏に!。  夏も俺も周りを気にしながら、それぞれの友達と連み始める。自然と互いに距離を置く感じになった。 「ラインするよ」 「了解です!では……また」 俺は美智也と一年の下駄箱へ向かった。 「楽しかったよ! 真咲がさ、本当可愛いんだ」 「昨日見てたら判るよ。でも気を付けろよ、口は災いの元だからな」 と言いつつ、夏が気になる。 あいつ! やめろ! 触り過ぎたぞ! 「夏!おはよう~」 例のバスケ部の奴が抱きついている。 汚い!!。 夏がチラッと俺を見る。 そして宿題の話しながら、そいつをそっと振り払っていた。 美智也は俺の肩を摑み、 「嫉妬為てる~夏先輩モテるからね」 煩い美智也! 「お前だって気をつけろよ。保体の清水は俺達と同じ匂いがする。そして~加藤に気があるぞ!」 美智也は顔色が変わった。  と、突然殴りかかってきた。 「嘘吐くなよ!」 「本当だよ! だって加藤の事素敵だって言ってたもん」 「やばい! やばい! 泣きそうだよ」 「あのなぁ。もう少し自信持てよ。可愛い……を知ってるのはお前だけだろ?」 「そうだよ! 俺だけだ。判った. 信じるよ……を」 ちょっと揶揄うと此だもんな。 でも清水の話は本当だよ!

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