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第32話 勉強するのか!
流石だなぁ加藤は! 廊下で美智也が教科書を持って質問しているが……平然としている。当たり前だけど。
だって、あの加藤を知っているからなぁ。見ているこっちがドキドキするよ。
昼休み夏にラインで、屋上行くことを確認をして美智也と向かった。
美智也が煩い! お弁当を食べていると言うのに、
「なぁ~聞いてよ~真咲が本当可愛いんだよ!だってね……」
美智也~嬉しいのは判るけど、胸焼けしそうなんだよ!
夏も終始苦笑いしている。
「キスもいっぱいしたよ!見せたかった~」
夏もすかさず反撃に出る。
「見たく無い~絶対! キモいでしょ」
美智也と俺は大笑い。
本当、俺だって無理だよ。担任だぜ。
今なら行ける! これは絶好のチャンスだと思い、俺は何気なく聞いてみた。
「美智也はさぁ、すべて初めてだろう? それで色々上手く行くもん?」
「何を? セックス?」
おお~ハッキリと~まぁそれです。
「お~っお~それそれ」
俺惚けまくり。夏は照れまくり。
美智也は不思議そうに、俺たちを見ながら、
「ふたりは……まだしてないの?」
「え~っお~まだ……に決まってるだろう」
夏は知らん顔為ている。
「そっか、じゃ! 色々貸すよ!」
美智也は空を睨みながら、
「どれが良いかなあ……初心者だからなあ、ふたりとも」
はあ? お前もだろうよ! 耳年増ならぬ 目頭年増だよ!
「もう全部したの? 為ちゃったの?」
突然夏が美智也に詰め寄る。
美智也は焦りもせず、
「それはまだ……キスだけ……でも、前だけでもしたいなぁなんて思ってます!」
おい! 前だけだけってさぁ、あれがあぁなってだよ、それで……
「そっか。まだキスだけなのかぁ。僕たちも~ねぇ幸?」
俺? そりゃ……出来たらしたい!
「お~っしたいしたい!」
焦りまくりの俺を見て、ふたりともゲラゲラ笑い出した。
「焦んなよ~幸ちゃん~」
美智也に腹を突かれる。
夏がどんどん前のめりになっている。
「じゃ色々貸してよ! 今日借りにいってもいい?」
「良いよ! おいでよ! アッ駄目だった。真咲の所に行くから~」
「だって……真咲は早くて六時半頃にしか帰らないよ~だからさぁ。今日部活?」
夏! 何お強請りしてるの? 可愛いけどハズいよ。
「月曜だからない! おっし! 取りに来て! そのかわり猛ダッシュだぞ!」
「了解! 幸! 判った? ダッシュだよ!」
なんだよ! どうした夏!
「幸! 返事!」
「はい! 判りました!」
チャイムだ~昼休み終わっちまった。
もうふたりでキャッキャッと為やがって! 完全にの乗り遅れた!
HRが終わり、美智也が叫んでいる。
「幸! 早くして!」
声が輪唱になった!?
見ると夏が叫んでいる!
「置いてくよ!」
うるせー奴らだよ!
「は~い~今行く~」
俺はわさとゆっくりしてやった。
「幸!バイバイ!」
夏と美智也が消えた……俺は鞄を持つと急いで教室を出て階段の方へ走るった。
「ワアッ!!」
階段横の柱からニコッニコのふたりが出て来た。
阿呆か! でも可愛い! 夏がね。
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