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第14話 二度目の恥辱
「仕方ない」
ヴィクトルは手で刺激していた臍の下にシャワーヘッドを当てる。
「あっ」
蛇口が捻られると、噴き出して来る湯が腹部をくすぐった。ピッタリとヘッドを当てられたまま、シュワシュワと絶妙な水圧で腹全体をマッサージするように刺激され、気持ちいいのに掻きむしりたくなる感覚に襲われる。
「やめっ、あっ、ひあっ」
「譲、強情な子は嫌いだよ」
水圧の刺激が下に降った。
「ぅ、ぐ、ううう」
下生えが濡れそぼり、雫を垂らす。シャワーの湯が茂みを掻き分け、ぶら下がった性器に幾筋も精細な川を作った。
「おしっこの穴を直接刺激しないと出ないのかも知らないね」
ヴィクトルは耳元で囁く。
「ひいっ」
「安心しなさい。無理やり器具を挿れたりしない。さっきよりも念入りにシャワーを当てるだけさ」
譲のペニスはヴィクトルの手の内で恐怖し縮こまっている。
半端に被った皮を引き上げて丸い先端がくびり出され、譲はタガが外れたように声を上げた。
「や、やぁ・・・・・・ひぅ・・・う、ぅあああっ」
「こら、暴れない。電流の罰を受けたいのかな? ここにつけてあげる用も準備してあるからね。入浴を終えた後に、つけて欲しいのかな?」
低い声で脅されて、懸命に悲鳴を抑える。
「違う・・・違います・・・・・・っ」
「良い子だ」
「ん・・・んっ、んんんっ」
耳朶に軽く唇が触れたかと思うと、剥き出しの敏感な神経にシャワーが浴びせられる。
ペニスは強制的な刺激で芯を持ち始め、亀頭が露出し、シャワーを受ける面積が広がった。ヴィクトルは段差に輪っか状に指をかけ、怯えた譲をあやすように裏筋をさすった。
「ひっ、ひっ、ひっ・・・く、くうぅ、う」
我慢すればするだけ水圧が上げられ、気持ちいいよりも痛みが強くなる。ぴりぴりするたびに、腰が壊れたおもちゃのように痙攣する。辛すぎて腰を引くと、ヴィクトルはこれ見よがしに亀頭へシャワーヘッドを押しつけた。
「あっ、あ、ごべんなさっ・・・無理っ、無理ですっ」
「無理じゃないよ。おしっこしてごらん」
腹部全体の感覚が麻痺していた。ビクビクと震えているので、力を上手に入れられない。
頭も回らない。
自身の尊厳を守るために抵抗するべきなのか、言うことを聞いて素直に出すべきなのか。
わからない。なんで自分は我慢しているのか。今、自分がどっちを求めて懸命に堪えているのか、もはや判断できなくなった。
先っぽの割れ目を開かれて、尿道内を直接シャワーで刺激され、大きな波が来た。
もう堪えられない。
力を入れ、弛緩した時、我慢が決壊したのを感じた。
「ぅ、ぅ・・・・・・」
ヴィクトルはシャワーヘッドを外す。
譲のペニスの先から少量の尿が、ちょろちょろと溢れていた。
「出たね。譲は良い子だね」
「くそ・・・人でなし・・・死ねよ」
腕で目を覆って呟く。ヴィクトルは譲をタイル床に座らせ、股間をもう一度洗い直し後始末をする。
「触るなよ・・・っ」
「今は何とでも吠えていなさい。譲は一人でトイレに行けないんだから。仕方ないだろう? 今後もしたくなったら教えるように。いいね?」
答えない譲に、ヴィクトルは強い口調で念を押した。
「いいね? それとも実は無理にさせられるのが好みなのかい?」
「なっ、くそ、くそっ・・・・・わかったよ」
悪態をついたところで、この男には無意味だ。
結局その後に風呂に浸かれたが、心地よさとは無縁だった。せっかくの贅沢な風呂も、譲の心を屈辱感の底に沈めただけだった。
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