3 / 4

第3話 R18

 「悠二、ソロソロ起きろよ」  「う゛……ん」  薄っすらと目を開くと、上から俺の顔を覗き込むユウがいて  「おはよ……」  一言そう呟いて、俺はゴソゴソと起き上がる。  「風呂、入るのか?」  「イヤ……大丈夫」  低血圧の俺はベッドの上でボーっとしていると  「だろうな、俺は入って来たけど」  そういうユウの顔を見ると、ドヤっとキメ顔で俺を見詰めているので、俺はフッと笑うと  「そこの内風呂入ったのか?」  と、尋ねる。すると  「イヤ、昨日悠二が風呂に入ってる隙にフロントに電話して予約してたから」  「……、そか」  ファッと欠伸して、両手を上へと突き出し伸びをすると、俺はベッドから出て顔を洗いに行こうとテーブルに視線を向ける。と、昨日俺が出して拭ったティッシュが無くなっていて、?と思う。そうして、隣のベッドへと視線を投げると、昨日ユウと一緒に寝たはずなのにユウ側のベッドが少し乱れている。  俺は、あぁ……。と納得して、洗面所に足を向けた。  ユウは人の目を気にする。  きっとベッドが一つしか乱れてないのは不自然だと思って、俺が寝ている隙に乱したのだと思う。多分、昨日のティッシュも部屋のゴミ箱には入って無いだろう。きっとユウが隠し持っているはずだ。  「……………、いけない事は、してないはずなのにな……」  バシャバシャと洗って上げた顔が鏡に映り、自分の顔にそう呟いて一つ溜め息を吐く。  ユウにとって、今回の旅行は楽しいのだろうか?誘って良かったのか?迷いが出てくる。けれど俺は頭を左右に振って、その考えを打ち消すと手近にあったタオルを掴んで、顔を拭う。  身支度を整えた後に、タイミング良く朝食が運ばれてくる。  ユウは仲居さんに温泉が良かったと二、三挨拶を交わしていて、俺はそれを微笑ましく見ていてだけ。  朝食が終わり、少し部屋でゆっくりしてから散策に出た。  取り敢えずユウが仲居さんに教えてもらっていたオススメのところを何ヶ所か周って、途中、途中で何かをつまみながら歩き、職場の人へのお土産を見て回っていた。  「ちょっとトイレ行ってくるわ」  俺は、真剣にお土産を選んでいるユウに一言声をかけて、トイレへと向かう。  久し振りにユウと出掛けて、気分が良い。  何が一番かって、誰も俺達の事を知らないのが良い。地元だとどこで誰に会うかもと思わないといけないし、何となくお互い気を張っているのが解る。  「……、色々、旅行とか行っとけば良かったな……」  手を洗いながらそう呟く。  ユウが行きたいと言っていた所に、色々と一緒に行っていれば、こういう楽しい事が増えたのかも知れない。  傍から見れば友人同士で、ホテルとか旅館では気を使わないといけないが、こうして楽しい事の方が多いと解っていれば、旅行も悪くなかった。  「まぁ……、今更、だよな……」  手を乾かしてトイレから出ると、ユウの姿が無い。  外に出てるのか?と、店から出るとユウが女の人達に絡まれていた。  ドクッ。  写真でも撮ってと頼まれていたのだろうか?和やかに話をするユウに、一人の女の人がユウの腕にソッと触れている。  俺はその情景を見て、何週間か前の光景が蘇る。  その日俺は久し振りに連勤と残業が終わり、知り合いの飲み屋に顔を出した。疲れていた事もあって直ぐに酔っ払った俺は、いつもより早目に飲み屋を後にして自分の家へと帰っていた。  知り合いの飲み屋は繁華街にあり、その近くにはラブホ街がある。いつもはそのラブホ街は通らないのだが、道をショートカットするにはそこを通れば早い事を俺は知っていた。  結構酒が足にキていたし、早く大通りに出てタクシーを捕まえたかった俺は、フラリとラブホ街へと足を踏み入れて、そこでユウと女の人がラブホから出てくるのを目撃してしまったのだ。  最初は見間違いだと思って、足を止めて目を両手で擦った。その後にもう一度、確認するように見詰めると見間違いなくそれはユウで……。  女の人と仲良さげに腕を組んで歩いていく後ろ姿を見送って、そこから俺はどうやって家まで帰ったのか記憶が曖昧だ。  ……………、それで今回の旅行を思い付いた。  最後くらい良い思い出で終わろうと考えた末に出した答えが旅行だったから……。  ユウは、女の人も愛する事が出来る。  今も目の前で女の人と和やかに会話をしているユウを見ると、これが普通だと突き付けられているようで胸が痛む。  俺には決して与えられないモノをユウに与えられる人達。  「悠二」  ユウが俺に気が付いて、女の人達からこちらに向かってくる。  「大丈夫だったのか?」  一言呟いて、何が大丈夫なのかと心の中で自分に突っ込みを入れるが  「何がだよ?ただ写真撮ってくれって頼まれてただけだし」  「そうか……」  ユウにも突っ込まれ、俺は苦笑いを浮かべて歩き出す。  それから直ぐに宿に戻って、朝ユウがフロントで予約をしていた温泉に二人で浸かりに行って、ユウはこれで温泉はコンプリートしたと嬉しそうに笑っていて……。  上がって部屋ヘ戻り、夕飯までのんびり過ごしていると  「なぁ」  ベッドの上でウトウトしていた俺に、テーブルでテレビを見ていたユウが声をかける。  「んぁ?」  呼ばれた俺は顔だけ少し起して一瞬ユウを見詰めて、枕にまた顔を沈めると  「今日は最後まで、してくれんだろ?」  テレビの雑音に混じって聞こえた台詞に、俺は閉じていた目を開け  「ん~~……、まぁ、ユウが良ければ?」  と、曖昧な返事を返す。  俺の返事にユウはテレビを消して、ベッドへと近付くと  「イヤ、昨日も俺から誘ってんだけど?」  少しムッとしたような言い方に、俺は鼻から溜め息を吐き出し上半身を起こして、近くまで来ていたユウをおいでと呼ぶ。  ユウはムッとした表情を崩さずに俺のベッドの端へと腰を落ち着けると  「悠二さ……、何考えてる?」  ズバリと聞いてきたユウの台詞に、俺は苦笑いを向けて  「何、どうした?」  今、その質問の答えを言えない俺は、逆にユウに聞き返してしまう。  明日までは、ユウと恋人関係でいたい。  俺の返答が不服なのだろう。俺の返しにユウは一度グッと唇に力を入れて  「お前……、最近変だよ……」  言いにくそうに呟くユウの言葉に、俺は肩を竦めて  「まぁ……、柄じゃ無い事ばっかしてるからな……」  と躱すと、ギッとユウが俺を睨んで  「そういう事を言ってるんじゃ……ッ」  「失礼します。お食事お持ち致しましたが、ご用意しても宜しいでしょうか?」  「あ、お願いします」  タイミング良く料理を持ってきてくれた仲居さんに、寝転がっていたベッドから俺は起き上がると、テーブルの方へと移動する。チラリと後ろにいるユウを盗み見れば、バツの悪そうな表情でこちらを見ていて……。  俺はそれを無視した。  カチャカチャと箸と食器があたる音しか部屋に響かない。  俺もユウも無言のまま、向かい合ってただ食事をしている。  ユウはきっと俺から何らかしらの確信めいた言葉が欲しいんだと思う。  ………、きっと別れ話だと勘づいていて、その後にユウがどうしたいのかは解らないが、俺と話をしたいんだと思う。けど、俺は別れるっていう以外の選択肢を、今回は無くしたから……。  今までだって何度か別れ話はしてきていた。  それはいつもユウからで、一番最初は大学卒業後の同居を解消した時。俺から解消しようと話を持ち出して、不安になったユウが別れたいと俺に言ってきた。  その時俺は、まだユウと別れるという選択肢は無かったから、同居は解消してもユウとの関係は解消しないと言ったと思う。それでユウも落ち着いてくれて……。おばさんの希望には最終的には沿えない形になったけど、別々に暮らすっていうところは俺にとっても結構苦痛で……、それは実行したから許して欲しい……と、我儘だけどその時はそれが俺に出来る精一杯だったから……。  でもそれから俺はユウとセックスをあまりしなくなって、遊びに行くことも減った。  正直、どうして良いのか解らなかったって言うのが本音だ。  おばさんやユウの事を考えれば、早く別れた方が良いのは理解していたが、それでも俺の欲を優先させれば、別れたく無かった。  それが徐々にユウに対して態度に出るようになった結果がセックスレスとかというか……最後まではしない結果で……。  ユウも不安だったと思う。  俺から別れたくないと言われているのに、今までのように抱かれないし、どこにも行ってくれない恋人に……。だから衝突することも増えて、何度か別れたい。とも言われた。  けれど、ユウの事を好きだという気持ちは俺自身変わらなかったから……。手放せなかった。  でも、今回のユウが女の人とラブホから出てくるのを目撃した事で、俺の中でケジメがついたというか……。  もうこれ以上俺がユウを引き留めるモノが無いと突き付けられたというか……。  「………、なぁ……」  夕飯を食べ終えた俺が、箸をお盆に置いてユウに声をかける。  ユウは一瞬俺にチラリと視線を寄越したが、不機嫌なまま無言で聞き流している。俺はフッと口元を歪めて何も言わないユウに  「今日、抱いて良いんだよな?」  俺は真っ直ぐにユウを見詰めてそう呟くと、ユウは意外そうな表情を俺に向けて  「……ッ、え、でも……」  戸惑いながら口ごもるユウに、俺は席を立ちながら  「お前が昨日抱いても良いって言ったんだぞ?良いんだろ?」  テーブルの近くに置いてある自分のバッグの中から、風呂に入る為の下着や寝間着を取り出しながら言う俺に  「………、嫌じゃないのかよ?」  「俺が?そんなワケ無いだろ?……、先に風呂入ってる」  部屋の外に出て、中庭みたいになっている所にある内風呂に一人で浸かっていると、食事を下げにきた仲居さんとユウが少し会話していて、俺はバシャバシャとお湯を自分の顔にかけて足を伸ばす。  俺が風呂から上がると、部屋の中は綺麗になっていて、食事は下げられていた。ユウとは結局入れ違いで風呂に入る感じになってしまい、ユウが出て来る前に俺はバスタオルを何枚かベッドの上に敷いて、バッグの中に入れていたゴムとローションを枕の下に突っ込んでから、スマホでユーチューブを見ながら暇を潰していた。  風呂から上がったユウは洗面所でドライヤーをかけて、部屋へと戻ってくると自分の方のベッドへと腰を落とす。  「オイ、何やってる?」  「何が?」  「何が?じゃ無いだろ?ヤラねーのかよ?」  「ッ……」  直接的な俺の台詞に、ユウは少し戸惑い気味に俺を見返すと  「昨日は、乗り気じゃ無かったクセに……」  と、ブツブツ言いながら俺の方のベッドへと移動してくる。  「だから、昨日は今日が早いからって言っただろ?」  ベッドへと腰を下ろしたユウの後ろから俺は腕を伸ばして抱き締めると、項に鼻筋を押し付けて匂いを嗅ぐ。  「チョッ……悠二」  「風呂上がりだから、いい匂いだな」  そのままチュッ、チュッと音を立てて項に何度かキスを落とすと、ユウはヒクリと肩を震わせる。  抱き締めている片手をユウの顎に伸ばしてこちらに顔を振り向かせると、そのまま唇を奪う。  「ンウゥッ……、ンッ、ンッ……」  頬の内側をくすぐるように舌先でなぞると、ユウは眉間に皺を寄せてむずがるように体を捩る。  その反応に俺もゾクリと煽られ、着ている服の裾からもう片方の手をスルリと中へと入れると、肌触りを楽しむようにゆっくりと指先を上へ移動させる。  「ンッ……、フウゥ……ッ」  指先を滑らすとあたった乳首を指の腹で何度か擦るように上下に愛撫すると、その度にユウがピクピクと体を震わせる。俺は、滑らせていた指をクッと折り曲げて、今度は引っ掻くように乳首を掻くと  「ン、ンッ、フゥン……ッ」  鼻から抜ける甘い吐息に俺は唇を離して、後ろから捻るようにユウを半回転させると、ベッドへと縫い付け俺が上ヘ覆い被さる態勢をとる。  もう一度上からユウの唇を奪いながら、今度は服を捲し上げ露わになったユウの乳首ヘ指を這わせ、今度は抓り少し引っ張るとビクンッと反応して、胸を突き上げるように背中がしなるので、俺は唇を離して  「ん?気持ち良いか?」  聞きながらユウの頭を空いたもう片方の手で撫でると  「ンゥ……ッ、気持ち……良い……」  撫でている手にスリと頭を押し付けるように少し顔を傾けながら素直にユウが呟く。  薄っすらと俺の顔を盗み見るように開いたユウの目と視線が絡めば、ゾクリと腹の奥に重い熱がこもる。  俺はグッと奥歯を噛み締め、頭から手を退けてユウが穿いているパンツと下着を一緒くたに掴みそのまま下へとずりおろす。  「アッ……」  俺がそうするなんて思って無かったのか、ユウは小さく喘いで手を伸ばしてくるが、その時にはもう半分勃ち上がっているモノが俺の目の前に晒されていて……。  ゴクリッ。  恋人の痴態を見て、あからさまに喉が鳴る。  俺は一度軽くユウにキスするために、上半身を伸ばしてチュッと音を立ててキスをすると、そのまま唇を滑らせて顎、首筋と……唇を這わせていく。  鎖骨で強く吸い付きたい衝動に駆られるが、グッと堪えて先程まで指先で愛撫していた乳首へと辿り着き、ユウに見せ付けるように舌を伸ばして先端をチラチラと微かに触れる感じで舌を掠めると  「ンゥ……ッ、ゆう、じ……」  それが焦れったいのか、俺の方へと視線を向けながらもっと直接的に舐めて欲しそうに、ユウが胸を付き出す。  俺は舌先をもう少し乳首にあてて先端で転がすように動かすと  「アッ……、ン、気持ち、良い……ッ」  素直にユウが俺の愛撫に喘ぐから……  ジュゥッと舐めていた先端を吸いながら、指先でもう片方の乳首を爪先でカリカリと弾くようにすれば、ユウの腰が浮いて微かに上下に動いている。  その振動を自分の腹に感じながら、吸っていた乳首を優しく歯で挟むように咥えると、キュッと甘く力を加える。  「アッ!……ッンンゥ……、ゆう、じ……ッ」  少し強い刺激が堪らなかったのか、ユウは俺の頭に指を差し入れ軽く髪を掻き混ぜるようにクシャリと遊ぶと  「……ッ、もっと……して……」  呟いた台詞にどんな顔でと……、視線を上にあげると、眉間に深く皺が寄り眉尻が下がって、目が潤んでいる。  そんな気持ち良さそうな顔をさせているのが自分なのだと思うと堪らなくなって、指先で乳首を弄っていた片方の手をユウの中心へと伸ばすと、半勃ちだったモノは期待でガチガチになっていて……、俺はカリ首を締めるように手で輪っかを作り、ユックリと上下に擦り上げた。  「ハァ……ッ、ゆ、じ……止め……ッ」  「あ?止めて欲しいのか?」  扱くと途端に鈴口からはプクリと透明な先走りが出てきて、俺はそれを指に絡ませながら指に圧を加えていく。乳首を舐めながらユウが言った台詞にそう返すと、歯先が乳首を掠めるのかビクビクと体を震わせて息を呑むユウの反応に  「もっとして欲しいだろ?」  言い終わるとジュッと乳首に吸い付き、ユウの顔の横に置いていた手で乳首を抓ると、扱いていたユウの竿がビクンッと跳ねて、グッと大きくなる。  「ハハッ……、素直な体……ッ」  意地悪く呟いた俺の髪を、一度グッと掴むとユウは頭から手を離してシーツと枕をそれぞれの手で掴み、快感の波に呑まれていく。  俺の下で気持ち良さそうに喘いでいるユウを見詰め、こんなにもユウの体を変えたのは自分だとの想いが込み上げる。  初めて体を繋げてから徐々に俺好みに変えた。最初はすんなりとユウに受け入れてはもらえなかった。時間をかけてユックリとユウの体が俺に馴染むまで何度も何度も抱き合って……。乳首でさえも当初はくすぐったいと言っていたのに、今ではもうそこは感じるところだと認識している。  俺無しでは駄目になって欲しかった。  女ではイケ無い体になって欲しかった。  けれど女を抱けるのだと突きつけられた先日の事を思い出せば、俺がユウから身を引けばきっとユウは普通の幸せを手にする事が出来る。  そう思えば最後に滅茶苦茶に抱き潰してしまいたい思いと、優しく抱きたいと思う気持ちの間で感情がグチャグチャだ。  「悠二……?」  「あ……?」  行為の最中にボォとしてしまっていた俺に、ユウは訝しげな顔と共に俺の名前を呼ぶ。  呼ばれて俺はハッとすると  「……、ゴメン……ッ」  聞こえるか聞こえないか位の小さな返事を返して、俺は握って扱いていたユウのモノへと顔を近付ける。  そうして先端から涙を流しているところへ、一度吸い付くように唇をあててから口腔内へと含む。  「ッ、ア~~……」  俺にそうされる事を予想出来ていても、緩く間延びした喘ぎがユウの口から漏れる。  唇を上下に動かしながら舌先で裏筋から鈴口をチラチラと舐めねぶれば、先程よりも先走りが溢れ出し俺はコクリと喉を鳴らす。  「ア、アァッ……、ゆう、じッ……ゆう……ッンンゥ……」  ユウも堪らないのか、徐々に腰が浮いてヘコヘコと俺の喉奥にあたるように腰を振り始めるので、俺は唇と頬を窄めキュウゥッと竿を絞るように圧をかけると、ビクビクとユウの内腿が痙攣するタイミングで唇を離した。  「……ッ、なん、で……」  そのまま気持ち良く射精できると思っていたユウは、少し恨めしそうに顔だけ俺の方に向けて呟いている。  俺は唇を離して、一度ユウの方へと体を寄せ枕の下にあるローションとゴムを掴み、ユウの体の下敷きになっている掛け布団を引き抜くと、ベッドの下へと落とす。  シーツの上には俺が設置したバスタオルがあって、その上に自分が乗っている事を理解したユウは  「……ッ、準備万端かよ……」  まさか自分が風呂に入っている間に、俺がこんな事をしていたとは思って無かったのか、そう呟くユウに  「だから、今日は抱くって言っただろ?」  俺は言いながら自分が着ていた服を脱ぎ、ユウの内腿にキツく口付けると薄っすらとついた赤い花びらに、眉間の皺を寄せる。  今更こんなものを付けたところで、何の意味も無くなるが、今だけは俺の好きなようにユウを愛したいのだ。  傍らに置いたゴムの箱から一つ取り出すと、パッケージを破いてぬるついたゴムをつまみ、時折ピクピクと揺れているユウのモノへ装着する。  「これで、気になら無いだろ?」  「ッ……」  今日の朝、昨日の情事の跡をユウは綺麗に処理していた。  気になるのだ。誰に俺達の事がバレるかも知れないと。けれど、処理した事を出来れば俺にも知られたくない。  それは、俺がそれを知って傷付くかも知れないと思うユウの気持ちからだと解っている。だが、朝起きて綺麗に片付けられた部屋と不自然に皺の寄ったベッドを見れば、俺達が何か悪い事をしているようで……。  俺もユウに対して口には出さないが、そういう事の積み重ねが俺達の間に距離を生んだのだろう。  お互いに、言えない事や隠し事もある。  それを全て曝け出せるほど子供でも無くなってしまったのだ。  好きという感情だけではずっと側にはいられない。  年々現実を突き付けられて、俺もユウも気持ちが疲弊していく。  一緒にいる事への言い訳が難しくなる事への不安や、ユウには更に母親というバックボーンも重く伸し掛かっている。  ーーーーーー、だから。  俺はゴムの側にあるローションを持つと、蓋をパカリと開けて液体を自分の手に垂らし、何度か手に馴染むようにグッパを繰り返すと、少し体温で温まったそれをユウの最奥にある蕾へと塗り付ける。  指先で縁をなぞれば、ヒクヒクと入口が収縮して俺の指を誘っているのが解り、俺はユックリと一本手のひらを上に向けて中指を蕾の中へと入れると  「ッ……、ン、クぅ……ッ」  堪らずと言った感じでユウの口から吐息が漏れ、中に入れた中指をクンッと上へと押し上げれば  「ヒァッ……、ア、アァ……ッ」  押し上げた指先にコリッと膨らんだか所があたり、あたった瞬間に俺の指を内壁がキュウゥッと食い締め、次いではまとわりつくように収縮するので、俺は中指に沿わせて人差し指も一緒に中へと入れる。  俺の指は自分で意識しなくても内壁が中へと蠢くので、苦もなくスムーズに迎え入れられ俺は先程押していた前立腺を指で挟むとギュッと両側から圧を加えていく。  「ンウゥッ……、ハァ……、ア、持ち……良い……ッ」  先程よりも両側から潰される方が気持ち良いのか、ユウの声音が一段高くなる。俺はその声に煽られて我慢できずにパンツの中でガチガチになっている自分のモノを取り出すと、ユウを愛撫しながら自分のモノも扱き上げていく。  ……ッ、ハァ、入れたい。この狭くて……あったかいところに……ッ、俺のを、入れて……滅茶苦茶に腰を振りたい……ッ。  差し入れた蕾は良いところにあたる度に、入口が俺の指を締め付ける。それが視界に入れば早くその中に自分のモノを押し込みたい衝動に駆られるが、もう少し馴染むまで我慢する。  二本の指が馴染んだ頃に、今度は薬指もユックリと入れる為一度ローションを入り口へと垂らしてから三本の指を内壁へと入れ込み、前立腺よりも少し奥まで挿入し押し開くように指を動かす。  「……ッァ、ゆう……ッ、も、……大丈、夫……だから……ッ」  再びユウが顔を持ち上げて、懇願するように俺に呟く。  その台詞に俺はユウの中から指を引き抜くと、自分のモノにもゴムを着けてローションを垂らし、何度か自分の手で扱きながらユウの最奥へと切っ先をあてがい何度か先端を蕾に擦り付け、ユックリと蕾を押し開くように腰を前へと進めた。  「ハッ……、ァ、ア~~~……ッ」  ユウの内壁は俺のモノを奥へと誘うようにうねっていて、もっていかれそうになる感覚に耐えながら指で押していた前立腺を、自分の亀頭で潰すように腰を動かすと  「ヒァッ……、アァッ、アッ、……ッ気持ち……、良い……ッ」  甘い喘ぎが恋人から漏れ出て、グワッと理性が焼き切れそうになる。奥歯を噛み締めて酷く腰を振ってしまいそうになる自分を抑え、ユウが気持ち良く蕩けるように重点的にそこを攻めると  「ア……ッゆう、じ……、ゆう……ッ」  ギュッと閉じたユウの目から生理的な涙がツッと溢れ落ち、顔の横にある俺の手を握るので、俺は顔を近付けて目から流れ出た涙を舌先で拭い、そのまま唇を移動させ喘いでいるユウの口を塞ぐ。  「フウゥ……、ン、ンウゥッ……ンッ!ンクッ」  キスするとより一層内壁が俺のモノへ絡み付き、キュンキュンと波打つように収縮し始める。ユウの限界が近い事が解って俺は前立腺から奥を捏ねるように腰を動かすのを変えると、ビクンッとユウが跳ねた。  「イキそう?」  唇を離してユウの耳元で呟くと、一度ギュウゥッと俺のモノが絞られ次いでは  「アッ、……ヒ……ック……、イクッ」  「ン……、イッて、良いよ」  震える唇から気持ち良さ気にユウが呟いた刹那、俺が良いよと言った直後に腰を上下に小刻みに振りながら、ユウがゴムの中へと射精する。  何度かに分けて射精すると、それに呼応するように中もビクビクと震えるので、俺はその快感に耐えるように奥歯を噛み締め、達さないようやり過ごすと、出し切ったゴムを外すために、何度かユウのモノを掴んで軽く扱きながら白濁が漏れないよう慎重にゴムを取り外すと、素早く口を括ってベッドの下へと落とした。  肩で息をしているユウに軽く口付けてから、再びユウのモノへゴムを装着するため箱からパッケージを取り出し破る。  「もッ……、イッた……」  俺の動作を見ながら呟くユウに、俺は苦笑いをしながら  「……、俺がまだだから……、頑張れそうか?」  言いながら緩く腰を振ると、ビクビクとユウの体が踊って  「ンウゥ……ッ」  喉元を仰け反らせて、次いでは俺に視線を向けると、コクコクと緩く首を振るので俺はユウのモノを握って亀頭をクチュクチュと刺激する。  「ハァ……ッ、ア、……ッイヤ……ゆう、じ……それ、止めッ……」  「うん……、また勃ってきた……」  強い刺激に腰を捩らせながらユウは喘ぎ、勃ち上がってきたモノに俺はゴムを再び着けると  「もう少し、……奥入らせて……ッ」  と、最後まで入れていなかった自分のモノをユウの中へと押し込んでいく。  「ア゛……ッ、駄目、だ……ゆぅじっ……」  「ッ……、ユウ……、お願い……ッ」  あまり今までユウの奥を犯した事は無い。  いつもならユウが気持ち良くなるところで止めていたが、今日はどうしても奥まで受け入れて欲しかった。  俺はユウの耳元でそう呟く。すると食い締めてギチギチだった内壁が、フッと緩んだ瞬間に俺は腰を押し進めると輪っかみたいな引っ掛かりにカリ首の部分が嵌った途端、竿全体を絞られるようにギュチリと包まれる。  「クァ……ッ」  堪らずに声が漏れ出て、更に気持ち良くなりたい衝動に腰が前後に揺れてしまう。  「ヒァッ……、ア゛~~~ッ、だ、めッ……だ……ッゆぅ……じ……それ゛ッ」  腰を揺らせば、輪っかの部分にカリが引っ掛かるように出たり入ったりするのが駄目なのか、俺が突くたびにユウはビクリッと体を過剰に跳ねさせ、その度に俺を中で締め付けるから  「ハッ……、駄目だ……イキ、そぅ……ッ」  腰を動かす度に溶けそうなほどの快感が俺を蝕んでいく。  「……ッ、て……ゆぅ、じ……、イ゛ッて……」  俺の言葉に反応してユウが下からそう呟く。  俺はその言葉に閉じていた目を開き、視線をユウへ向けると、俺の下で俺に揺すぶられながら必死に俺を見ている顔と出会えば、キュウゥと愛おしさが溢れて俺はユウの唇に噛み付くようなキスを落とす。  「ンウ゛ゥッ!……ッ、ン゛、ンン゛~~~ッ!」  唇を合わせて、イキそうな快感の中で自分本意に腰を打ち付ける俺に、ユウは握っていたシーツから手を離して俺の背中に腕を回すと、爪を立てる。  「……ッ!!」  その感覚だけが鮮明に感じて、俺は堪らずにユウの中で自分の欲望を手放した。          ◇   しばらく抱き合ったままでいたが、ずっとその態勢ではいられない。  俺はゆっくりとユウの中から自分のモノを抜いて、バタリと横へ体を投げると  「風呂行くの……、面倒臭い……」  俺の隣でポソリと呟いたユウの台詞に  「激しく同意だけど……、入らないとな」  俺も天井を見ながらボソリと返事を返す。  それからまたしばらくそのままでいたが、寝てしまいそうな自分を奮い立たせてモソリと起き上がり  「ホラ、行こう」  横で寝そべっているユウに手を伸ばして風呂へと誘うと、小さく溜め息を吐き出しながらユウは俺の手を取る。  起き上がらせたユウのモノに着いているゴムを外して、自分のモノも同様に処理しバスタオルを持って二人で部屋の風呂へと入るが、本格的に入る事はしない。  体に付いたローションやら、汗やら、唾液やら、をザッと洗い流すだけ。ついでにシーツの上に敷いていたバスタオルも洗ったけど……。  簡単に洗い流して部屋へと戻り、ベッドの下に投げ捨てられたゴムをティッシュで包んでいると、ユウが自分のバッグの中から取り出したビニール袋を俺の前へと差し出す。  その中には昨日俺がテーブルに投げていたティッシュが入っていて……、俺は一度チラリとユウを見て、無言でその中に包んだゴムを入れる。  ユウも無言でそれを固く縛って自分のバッグの中へと入れ直すと  「……………、寝るか」  「そ、だな……」  それだけ言葉を交わして、一度キスを交わすとその日はそれぞれのベッドへと入って眠りについた。

ともだちにシェアしよう!