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「落ち着いてきたか?」 抱きかかえられたまま着いた部屋……恐らく陛下の自室。 ソファーに座った陛下の膝の上で、大きな身体に包まれながらポンポン背中を叩かれる。 「は、はぃ……す、いませ」 「謝ることはない。お前は何も悪くない」 顔を上げるとスルリと頬を撫でられ、申し訳なさそうに笑われた。 「あの者は、私の父の代からずっとこの城で務めていてな。なんとかこの国を良くしたいという思いが人一倍強いのだ。 だが、それにしても先程の発言は無礼にも程があった。 傷つけてすまない」 「いえっ、そんな、」 「名はなんと言う? 私はラーゲルクヴェスト。ラーゲルでよい」 「ロカです」 「ロカか、良い響きだ。ロカと呼んでも?」 「ぁ、はい!」 「敬語はなくて良い。私たちは運命の番なのだから」 「っ、」 〝運命の番〟 「…あの、本当に僕で良かったんですか……?」 確かにこれは運命。 けど、相手はこの国の国王陛下だ。 冷静になってみれば、僕なんかよりあの子の方が確かにお似合いなのかもしれない。 でも、どうしよう。 どうしても……この温もりを譲るなんてことはーー 「何を言っている?」 「わっ」 背中に回されてた腕に引き寄せられ、コツンとおでこが合わさった。 「私の代となり早十数年、今日ほど嬉しかった事はない。 漸くΩが現れ、更に片方は私の運命の番。 こんな奇跡、起こす方が難しいだろう。 きっと私はお前と出会う為、これまで生きてきたのだ。 お前をひと目見ただけでそう思えてしまった。 ロカ、お前は私の運命の番だ。 他の誰が言おうとも、私はお前を離す気はない」 「〜〜っ、陛、下」 「違う、ラーゲルだ。ほら、言ってみろ」 「ラーゲル、様」 「ふむ。〝様〟はいらないが……まぁ、追々だな。 ーーさて、」 「へ……あっ」 座っていた膝で後孔を押され、ビクリと身体が震えた。 「悪いがもう我慢の限界だ。 待ち焦がれたΩ、それも私の運命。 その身体を愛してもよいか?」 「ぁ…ひぅ……っ」 ブワッと強くなる匂いに、さっきの出来事で何処かいっていた熱が一気に戻ってきて。 (ど、しよ…後ろ、また濡れて……っ) 「既に蜜が溢れ出てきているな。 愛おしい奴だ」 「そん、な…言わない、で……ひゃあっ」 再び横抱きにされ陛下が立ち上がる。 「初めての交りはベッドの上が良いだろう。 私の理性があるうちは甘く抱いてやる。 だが、後のことは諦めろ。私も我慢が効かん」 チュッと頬に口づけをもらい、至近距離から笑われて。 「ぁ、あぁ、ゃ、〜〜〜っ!」 それだけでおかしいくらい身体が跳ねて、達してしまって。 そのまま、強く抱かれた。

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