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リクエスト3 それぞれの巣作りの話 1
それぞれの巣作りの話
[ラーゲルクヴェスト × ロカ]
※ロカの妊娠前の時間軸です。
【side ロカ】
(ぁ、れ?)
それは、昼下がりのゆったりした時間。
勉強も終わり部屋でくつろいでたら、急にドクリと心臓が跳ねた。
「ぇ……」
待って、これ知ってる。
でも最近終わったばかり。
なのに、なんでまた発情が来てるの………?
(う、そ……待っ)
しかも、いつもより熱が回るのが早い。
あっという間に身体中を駆け巡り、ぶわりと一気に体温が上がった。
「なん、でぇ……?」
薬は持ってない。
番になってから発情時はラーゲル様がいてくれるし、周期も安定してたから用意なんてしてなかった。
ガクガク震える身体を自分で抱きしめてなんとか耐える。
ラーゲル様は確か、この時間は会議。まだしばらくは帰ってこない。
……呼んで欲しい。
この部屋に、急いでラーゲル様を、呼んで。
(だめ、だ……っ)
ラーゲル様は、僕の匂いを他の人が嗅ぐのを酷く嫌う。
今の僕は発情していて、匂いはいつもより大分濃い。
そんな状態のまま部屋の外に出たら、先ずそれだけで怒られてしまうはず。
ましてや、この状態のまま誰かに話しかけるなんて……
「ーーっ」
恐らく、話しかけた人の命が無くなるかもしれない。
「はぁ……ぁ」
真面目に考えたいのに、熱でぼぉっとしてくる頭。
後孔は既に濡れきっていて、トロトロ溢れるものでソファーに染みができてる。
(ど、しよ……ラーゲル…様……っ)
抱かれたい。身体を繋げたい。挿れてほしい。セックスしたい。
思考回路が溶けてきて、もう性に逆らえなくなりそうで。
「…………ぁ」
不意に、ふわりと微かに匂ってきた番の香り。
涙目でその方向を見ると、ラーゲル様のクローゼットの扉が薄く開いていた。
(ラーゲル、さま……)
身体も、脳も、完全に熱に支配されてしまって。
そのまま、引き寄せられるようにふらふらと立ち上がり、クローゼットへ向かった。
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