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17.恋敵?3

自分の家の最寄りの一つ先の駅で電車を降りた。 うちとここで定期代が変わらないことに気づいて…、買い替えの時につい、この駅には普段用なんか無いのに、ここまでの定期を買ってしまっていた。 突然行ったら驚くかな。 さっき電車の中からメッセを送ってみた。ヒロはもう家に帰ってるらしい。 『蓮さんは、友達と一緒?』 『まだ。これから会うよ。』 『いいなぁ。』 拗ねた顔のスタンプが送られてきた。 これから会う、じゃなくて、これから会いに行くよってホントのこと書いたら、アイツは嬉しそうに走って駅まで迎えに来んのかな。 確か、ここで右に曲がって、住宅街に入って………。後は道なり、暫く歩く。 あ、そうそう覚えてる。 ここ、白いデカいイヌのいた家。 ここを左に曲がれば、ヒロの家が見える。 「あっ、ヒ──」 門の外にヒロがいた。声を掛けようとして足が止まる。 紺ブレの制服…スカート……女の子と一緒だ。 身長、ヒロと並んでもヘンじゃないから、俺ぐらい、ある? ───俺ムダにデカいから、170以上ある方がキスもしやすいし。 いつか聞いた言葉が、頭をよぎった。 ショートカットの女の子。 女の子…か……。 なんか、胸のあたり、ヘンな感じする。 なんだこれ?痛い…みたいな、苦しいような…。 おんなじ学校の子じゃないな。藍と制服が違う。 じゃあ、学校終わってから会いに来たのか。 家、入んのかな…。 いや、別にいいんだけど。別に。 昼間は親がいないって言ってたし、ヒロの奴一人っ子だし、女連れ込んで何しようが構わないだろって言うか……。 ……でも、アイツ俺のこと好きだって言ってるし。 好きな人がいるのに、他の奴に手ぇ出すとか、そんなんヒロっぽくないっつーか…。 けど、アイツ男で……そもそも女のが好きらしいし、そりゃタイプの子に言い寄られたらそんなの……女の方が良いに決まってんじゃん…。 だからって、好きだって俺に言ってるくせに、そんなわけ……。 ───って、なんで俺が気にしてやんなきゃなんねんだよ。 頭ん中わけわかんなくなりかけて、ブルブルっと振り回す。 いや、だから、ここは友達なんだし、フツーに、「よっ、友達?」とかって……… シミュレーションして、いざ進もうと気合を入れた時だった。 ヒロが、一歩女に近づいた。 腕を広げて、次の瞬間、 ───その子を包み込んだ。 なんだ、これ───? 足が、動かなくなる。 ヒロから、行った………。 俺のこと好きって、いつも言ってんのに…… ───男は当たり前に浮気するものだから あの女──須賀の言葉が記憶に浮かんだ。 浮気……なのか、これは? でも、付き合ってない。俺たち、男同士だし。 だったらこれは、おかしくないこと? なら、俺フツーに挨拶して、予定通りヒロと遊んで、リュウに線香あげて、ヒロと────

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