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25.告白の決意1
この道を通るのは3回目だ。
どうぞと開けてくれた門の前で立ち止まる。
「どうしました?」
ヒロが、玄関ドアを開きながら振り返った。
「ヒロ。ここでさ……」
この前の女の子の姿が脳裏にちらつく。
「ここで抱きしめてって言ったら、お前どうする?」
「えっ!?いいんですか!?」
なんだよ。即答かよ。
「良いわけねーだろ、ばか」
飢えてんね、高2男子。さすが男でも女でもイケるだけのことはある。
出してくれたスリッパを履いていると、隣でヒロがドアに手を伸ばした。
結構広い玄関だと思うんだけど、上から鍵に手が届くとか、お前どんだけデカいんだよ。
「なに飲みますか?」
「紅茶。ミルクと砂糖で甘くして」
「はい」
ヒロがキッチンに行ってる間に、リュウの部屋に入る。
お前には、感謝しなくちゃいけないのかな。……いや、まだわかんねーか。
線香に火をつける。
でっかいイヌ。
見つけたときは、その大きさにビビったっけな。
初めは怖かったけど、すぐに懐いてくれたんだっけ。
全然吠えなくて、優しいイヌだと思った。
それ以降、会うこともなかったけど。
俺、お前の代わりに、ずっとヒロの傍にいられたらなんて思ってんだよ、リュウ。
フラれるかな、俺。
そういう意味で好きって言ったんじゃないって言われたら、しばらく立ち直れないな。
俺はそういう意味で、お前のヒロが好きなんだ。
お前の遺影のあるこの部屋で、決着つけてもいいかな、リュウ。
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