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28.告白の決意4
「ヒロ、俺、ね…」
「なっ、なんで俺に彼女とかそういう話になるんですかっ!?」
「ん?まだそのネタ引っ張ってんの?もういいんだけど」
「良くないですっ、いないですっ!」
「じゃあ、アレはただの女友達、か。最近の高校生は友達ともあんなことしちゃうのねー、てか」
「なんの話ですか!?」
「や、なんの話って……。俺、見てたんだけど。ヒロが女の子ぎゅってしてるとこ」
「ぎゅっ!?女の子!?何時 ですかっ!?」
「あ、見られてたらまずかったかな?ごめんな」
全然平気なフリで、笑って謝る。
結構ショック、大きかったんだけど。そんなこと言ったらきっと、ウザいとか重いとか思われそう。
「中間最終日、かな」
何でもない顔をして、やり過ごさなきゃ。
「中間最終日……。ってそれ、妹ですよ」
って、よりによって妹とか!
……これが、イケメンに妹や従妹が増えてく事象か。
「いや、家の前で妹抱きしめてるとか、むしろそっちの方が引くから、いいよ」
第一お前、父親と2人暮らしって言ってたじゃん。
「や、だからあれは、母方に引き取られた妹なんですよ。うち、親離婚したんで」
「へぇ…」
浮気とかって、言い訳するたび却ってドツボに嵌ってくんだな。
彼女居るくせに遊んでる連中に教えてやろう。
「妹の中学もその日試験最終日で、午後から部活で大事なレギュラー決めの紅白試合があるってんで、気合入れてやってたんです」
気合入れって……あの、ほっぺにベシーンっていくやつだろ。
あれはどう見ても、ぎゅっ、だろが。
「妹もバスケ部なんですよ。お蔭でちゃんとレギュラー取れたって嬉しそうに言ってました。……あれ?でもあの日って、蓮さん友達と遊ぶって……??」
「友達と……遊ぼうと思って、この家まで来たんだよ。お前、家にいるって言ってたから」
「じゃあ、友達って……俺?」
イラァッ……。
あれ?おかしいな。
ヒロの嬉しそうな顔に、なんかちょっとイラッとしたぞ、今。
「蓮さんっ!……っぐ?!」
抱き着こうと手を広げたヒロの腹を蹴りつけた。
なんだ?俺、ヒロのことホントは好きじゃないのかな。
もしかして、肌の相性が良いだけ?
ドキドキすんのは、ただ気持ちいいから…?
「………帰ろっかな」
なんだか落ち着かなくて、立ち上がる。
「えっ!?待ってください!」
ヒロも慌てて立ち上ると、止めようと俺の腕を掴んだ。
「朝、もう平気」
「えっ…?」
「一緒に行っても。だって、俺たち友達だろ」
「友達……」
ヒロが少し、……妙な表情をした。
斜め下を見下ろして、唇をぎゅっと噛みしめる。
掴む手に、力が籠った。
それは、バスケットボールを握るだけの力がある掌だ。
「ヒロ、痛い」
「……友達じゃ、困ります」
「っ…ばっ、ころぶっ」
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