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33.紡がれていく物語1

「おはようございます、蓮さん」 ちゅっ、と音をさせて、ヒロが唇を奪っていく。 「…ぁ…っ。…う~、もうっ。朝は口じゃダメだって言ってるだろ。ヒロにキスされると俺、なし崩しに…」 「すみません。俺もう学校行く時間なんで」 宥めるように、また帰ってからね、と今度は頬に口づけられる。 その気にさせといて放棄とか、ヒド過ぎる……。 「蓮さんも、そろそろ起きてくださいね。朝ご飯、テーブルに置いてありますから…」 「ヒロ……」 「なんですか?」 「…もういっかい」 「自分から、口はダメだと言ったくせに」 しょうがないなと苦笑して、ヒロは唇に触れるだけのキスをくれた。 あれから1年。 俺は無事受験に合格し、大学生になった。レイジも同じ大学だ。 ヒロは3年生に進級。俺とは異なる大学を目指し受験勉強中。 受験勉強の邪魔はしたくなかったから、合格するまで会う回数を減らそうと伝えた俺に、会えない方が気になって勉強に集中できません、と同居を提案してきたのはヒロの方だった。

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