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7.許容範囲の内と外
暑くなってきたのか、ブレザーとベストを脱ぎ捨てる。
ベルトを外して、ジッパーを下げ、橘は前を寛げた。……らしい。
既に俺の目には丸裸に映っていた御神木は、多分今、窮屈なパンツから飛び出したんだろう。
ブルンッと開放感に震えたソレは、さっきよりも外側に向かって聳 えていた。
「………触るの?」
ゴクリ、と息を呑み込み訊ねる。
「えっと、あの、えっと、…俺、男だし…」
「その男に撫でられたぐらいでこんななってんだから、お前ならイケるってことだろ?」
「え……、そう…なの…かな?」
「俺の思春期の好奇心は満たしてくんねえの?」
そう言われちゃうと、さっき俺の要望に応えてもらっちゃった手前、分が悪い。
「周防は、友達と一緒にAVとか観たことない?」
「えっ!?無いよ!」
「そっか。……そのままの君でいてください」
「えっ、どういう事!?」
よく分かんないけど、橘は安堵の表情で笑ってるから、そう悪い意味でも──バカにされてるわけじゃないんだろう。
「俺もさ、そういうの誘われるたび意味分かんなくてさ、他の男の喘ぎ声とかイク顔とか見せられて何が楽しいんだ、とか思ってたけどさ」
「うん…」
そりゃ当然だ。
俺だって友達のそんな姿知りたくもないし、その後気まずくなりそうだし、興味がないどころか、ハッキリ言って見たくない。キモイ。
友達の中でも桧山とかならイケメンだけど、イケメンだからってそれは許容範囲外!
見られんのだって絶対やだ!
「けどさ、周防のヨガってる顔だったら、見たいかも」
「はいっ!?」
「ヌキ合いとか気持ち悪ぃって思ってたけど、……周防は見たくない?俺のイキ顔」
「はぁあっ!?」
んなっ……!何言ってんの?!何言ってんのこの人───!?
「あ、それとさ」
急に顔を近づけてくるから、思わずビクッと震えた。
橘はお構い無しで、耳元に唇を寄せてくる。
「無断でち○こ視姦されて笑われて傷付いたからさ、やっぱり周防のち○こも見せてくんねえ?」
視姦って…!
そんな言い方、ヒドい!!
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