10 / 25

10.お祭り騒ぎ

 「わあぁ、スゲー俺、初カノ! …ん? カノジョじゃないから、初カレ?」  胸がドキドキ苦しいせいで、冗談でも言ってなきゃ心臓が持たない。  橘もそうだったりするのかな? 「まあ、見た目的にも立場的にも、周防がカノジョかな」  冗談交じりに、頭を撫でられた。 「む……まあ、橘のが背ぇ高いからな。ちょっとだけ」 「“ちょっと”だけ、な」  むー、なに笑ってやがる!  俺、170cmは……ぐらいはあるし、概ね平均で、別にちっちゃいワケじゃない。  橘は、190cmちょい?  ………ほら、ほんの20cmぐらいしか変わんない! 「で、脱がしていいの?」 「っ!!」  ナチュラルにそんな事を訊かれて、急激に顔に熱が集まった。  そう言えば、橘はさっきからずっとち○こ丸出しのままだった。  最近その絵が当たり前になってたから、すっかり忘れ去っていた。 「………俺とシたいの?」 「俺とシたくない?」  うっ……、質問に質問で返すのはどうだろう、橘くん……。 「──じゃあ、前戯から始めます。よろしくお願いします」  答えられずにいれば、橘はフッと笑みを零して、顔を近付けてきた。  ───あっ…、キスされる……  女の子みたいにそんな風に思って、そっと目を閉じる。  結局、俺がカノジョなワケな。  頭の中で悪態でも吐いてなきゃ、顔が沸騰しちゃいそうで……。  緊張で息も苦しい。まだ口を塞がれてもいないくせに、既に絶え絶えだ、ダメだ死ぬ!  唇に柔らかいものが当たる感触がして、ちゅっ、と音を立てて離れていった。  初チューだ、初チュー!  橘、意外と唇柔らかい!  んで、すごいやさしい!!  人生初のキスに頭の中はお祭り騒ぎだ。  顔にも出ちゃってるかもしんない!  あっ、違う!  幼稚園で初恋の子にほっぺにチューされたことあるから、初チューじゃない。  これで2回目だ。

ともだちにシェアしよう!