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そう言って日比谷は俺を見た。俺は予め準備していた資料を取り出し、黒板に貼り付けた。そう、俺達がパソコンで作ったやつだ。日比谷と交代し、今度は俺が発表を始めた。
「そこで僕達はある実験を行うことにしました。SNSで希望者を募ってアンケートを取り、実際に同じおまじないを実行してもらいました。まずおまじないをして欲しいと募集したところ、集まったのは50人。年齢層は10代が約6割、20代が2割、30代以降はほぼ同じ割合でした」
俺の説明に合わせて日比谷は円グラフを指差した。やはりおまじないに興味があるのは若い世代が多いようだ。原稿どおりの片言のセリフだが、さっきより少し落ち着いて話せた。
「ちなみに今回依頼したのは恋愛成就のおまじないです。紙と鉛筆を用意して右側に右手で自分の名前を書き、左側に左手で好きな人の名前を書く。最後にハートマークで2人の名前を囲みます。この時、ハートの右側は右手で、左側は左手で囲むようにします」
このおまじないは確かに聞いたことがあった。かなり有名なおまじないらしい。
「3週間の期間を与え、その結果についてアンケートを取りました」
そのアンケートの内容は、「年齢はいくつですか?」、「おまじないをする前、おまじないを信じていましたか?」、「おまじないをしている時、何かしたこと、心がけたことはありますか?」、「今、おまじないを信じていますか?」、そして「効果はありましたか?どのような効果でしたか?」といったものだ。
「3週間検証してもらい、揃った結果をまとめてみました」
実験前におまじないを信じていると答えたのは、ほとんどが10代だった。若い学生ほど純粋だということがわかる。しかし、実験終了後におまじないを信じていると答えた人は、もう少し増えていたんだ。
ここで俺と日比谷が再びチェンジした。
「結果から僕達なりに考察してみました。まず効果があったと回答した人は全体の約3分の1ほど。これが多いのか少ないのかは微妙なラインですが、それ以上に興味深い結果が出ました」
日比谷は堂々たる声色で発表を続けた。
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