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「最初からおまじないを信じていた人の半数程度が、最終的に効果があったと答えました。その人達の傾向としてあげられたのが、『好きな人に積極的に声をかけた』『自分磨きをした』『言葉遣いに気をつけた』など、何らかの努力をしていた。また、最初は信じていなかったが、効果があって信じるようになったと答えた人も同様に、好きな人にアピールするなどの努力をしたと回答しました」
表を用いながら熱弁する日比谷。彼は今生き生きとした表情をしている。気づけば辺りも静かに耳を傾けている。
「効果の内容も『好きな人と話せた』『連絡先を交換できた』など、両想いになれたという回答はほとんどありませんでしたが、小さなことでも幸せと感じる純粋な人が、効果があったと感じるのではないか、そう思いました」
そして、最後の考察に入る。
「3週間という短い期間だったので正確な検証ではありませんが、信じていて、かつ努力をする人ほど叶いやすいのかな、と考えられます。おまじないというのは自分を後押ししてくれるもの。信じることで自分の自信に繋がり、努力ができる。そして小さな結果でも前向きに効果を感じられること。自分の行動におまじないの効力がプラスされてこそいい結果が生じる。つまり、おまじないは叶うというのは嘘ではなく、本当ではないかと僕達は結論づけました」
そう言った日比谷は、全てやり切ったような清々しい顔をしていた。これが、日比谷が提案し2人で考えた読書発表会だ。
「以上で僕達の発表を終わります。ご清聴ありがとうございました」
俺がそう言うと、教室が拍手で包まれた。発表中も日比谷に救われながら、何とか無事終了した。俺は心をなでおろした。
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