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予想外の展開に戸惑ってしまった。正直信じられない。けど、嘘をついているような顔には見えなかった。真っ直ぐに見つめる濁りのない瞳がそう物語っている気がする。
「別に条件なんてなくても、俺はみんなに内緒にするからさ」
「あ、ありがとう……」
ただお礼を言うので精一杯だ。大丈夫だって信じたい気持ちと、失態を犯した自責の念がせめぎ合っている。
「けど、ひとつだけお願いしてもいい?」
「お願い……?」
「ひびやんとの仲が上手くいくように、俺に協力させてよ!」
「えぇっ!?!?」
俺は間抜けな声を出した。協力!?何を言っているのか理解が追いつかない。しかもひびやんってあだ名はなんだ!?
「あ、あの、それは、どういう……」
「純粋にそのままの意味。俺、人の恋応援するの好きなんだ。今までも色んなやつらをカップルにさせてきたんだぜ?」
お前は結婚相談所か。と心の中で突っ込んだ。というか今までほとんど話したこともないのに、なんで協力したいなんて言うんだろうか。俺は一呼吸すると、重い唇を開けた。
「日比谷とは、仲いいのか?」
「えっ?」
「この前、2人が喋ってるの見たんだ。日比谷ってあまり人と話すイメージなかったから……」
すると、斎藤はクスッと笑った。
「なんか……可愛いな」
「かっ、可愛くなんか……っ!」
「もしかして妬いてた?」
「…………」
図星だった。羨ましくて仕方なかった。けど俺の心が醜くて嫌だったんだ。
「ひびやんは中学の同級生なんだ。たまーに話すことがあってさ。今でも見かけたら声かけてるよ」
初耳だった。確か日比谷は遠くからこの高校に通ってると聞いた。斎藤も同じ中学校だったのか。
「そうなんだ。昔から、ああいう性格……?」
ちょっと気になることを聞いてみた。斎藤は少し間を置いた後、苦笑いをした。
「うーん……まあ、個性的ではあったな。でも面白くていいやつだよ」
やはり中学の頃もあんな屁理屈ばかり言ってたのだろうか。俺の知らない日比谷が、そこにはいたのだろう。知りたいけど今はそれどころではない。
「あっ、俺もひびやんも別にお互い恋愛感情なんか持ってないから安心して!それに俺彼女いるしな」
「そ、そうなのか……」
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