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呼び出し

日比谷の事件から何日か経過した。クラスでも特に問題は起こっていないし、俺も日比谷と普段どおり会話をしている。なんてこともない、穏やかな毎日だ。日比谷と出会っていなかったら、今も俺はつまらない日を過ごしてたんだろうな。 家で夕飯を食べていると、母親に「あんた最近いいことあった?」と聞かれた。「まあ、ないことはないな」なんて大雑把に返しておいた。家族にも気づかれるくらいニヤニヤしてるのか、俺。 夕飯や風呂や課題を終わらせ、ベッドの上でスマホをいじっていると、メッセージが1件表示された。俺に連絡をしてくれるのは家族以外だとあの2人くらいだ。2人のうちの誰かからか?少し待った後、既読をつけることにした。 なんと日比谷からの連絡だった。今までは大体は俺から連絡してたのに、なんで今日は日比谷から……?単純に嬉しかった。彼の頭の隅に俺の存在があることが。だが、内容は決して楽しいものではなさそうだった。 『お疲れ様。突然で悪いが今週のどこかの放課後に時間はないだろうか?君に話したいことがあるんだ。』 その文が胸に貫かれた。話ってなんだろう……今メッセージでは言えないくらいのもの……。考えてもわからないから、とにかく急いで返信をした。 『お疲れ。俺はいつでも大丈夫だから、明日の放課後にしようか?』 迎えられた翌日の放課後。今日はずっとドキドキが止まらなくて、何も集中できなかった。こういうのって告白フラグなんだろうけど、日比谷に関しては違う気がする。というか、日比谷が俺を恋愛的な意味で好いている自信は全くなかった。 いつもの空き教室に入る。人がいなくて静かで、俺にとって落ち着く場所。読書発表会の準備で何度もお世話になった、思い出の部屋。そこにすでに1人が待っていた。 「お疲れ様」 俺を見つめて微笑む日比谷。こいつがいるだけで全ての景色が輝いて見える。 「お疲れ」 短く挨拶を返す。鞄を持つ手が震えていて、俺めちゃくちゃ緊張してるんだなって感じた。話があるのは日比谷の方なのにな。 「長くなりそうだけど、時間は大丈夫かい?」 「ああ、大丈夫だよ」 日比谷の長い話は前からしょっちゅう聞いている。でも前置きがあるということは、いつもの自論発表ではないんだろうな。 「座って」

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